2019.06.19 12:08 | 日本代表
広島で開催されている女子FIHシリーズファイナル。ホッケー女子日本代表さくらジャパンがメキシコ代表と対戦した6月18日(火)、一人のサムライが広島にいた。
ホッケー強豪国のオランダ1部リーグでプレーする田中健太(HGC)だ。
6月15日(土)までインドで開催されていた男子FIHシリーズファイナルに出場し、3位決定戦・対アメリカで試合終了間際にチームを救う2ゴール。
大会通算4ゴールをあげ、得点ランキング6位に入った男が、帰国してまもないこのタイミングで広島を訪れ、さくらジャパンの試合を観戦した。
格下のメキシコが相手だったこともあり、「(さくらジャパンは)前半はショートパスを繋いで多くのチャンスを作れていた。実際サークルに入った回数も多かったし、サークル内の状況判断がもっと良かったらより多くの得点が入っていたと思う」と田中。
特に「3点目の打ち込みからのタッチシュート(山下彰子のゴール)は引いて守るメキシコに対してはかなり有効だと思った」と分析した。
FIH series finals HIROSHIMA
— kenta tanaka (田中健太) (@KentaTanaka0504) June 18, 2019
vs メキシコ 前半終了して2-0.2-0の4-0
テンポのいいショートパスを繋いで多くチャンスつくれてていいね。相手がかなり引いて守ってるからサークル内の状況判断が重要。後半はもっと多くのゴールに期待!
さくらジャパンが4ゴールをあげた前半を高く評価したものの後半の戦い方に対しては、「後半はもっとセンターエリアからの打ち込みが増えると思ったけど、ロングボールが多くて前半よりはチャンスを作れていなかった」と指摘。
「サークルには侵入できていたけどサイドからの攻めの割合が多くて、得点まで結びつかなかった。サークル内でリザルト(結果)を残せるように向上してほしい。角度がないところはペナルティーコーナーを取るとか。実際、後半はペナルティーコーナーからのゴールだけだったが、もっと取れていてもおかしくなかった」と分析を加えた。
18日、さくらジャパン対メキシコの試合後に行われたロシア対チリの試合で、世界ランキング25位のロシアが同16位のチリに5-2で勝利する番狂わせを演じ、その結果、さくらジャパンはBプール3位で準決勝進出をかけたプレーオフに進むことになった。
また、Aプールで1位となったインド、Bプール1位となったロシアはそれぞれ準決勝進出を決めた。
残り2つの準決勝進出チームを決めるプレーオフで、さくらジャパンはAプールを2位通過したポーランド(世界ランキング23位)と対戦し、もう一方のプレーオフはチリとウルグアイが対戦する。
さくらジャパンが次のポーランド戦で勝利した場合、組み合わせの関係で準決勝で対戦するのはロシア、チリ、ウルグアイのいずれかのチームとなり、今大会最も世界ランキングの高いインド(9位)と日本が対戦する可能性があるのは決勝戦のみとなった。
インドが必ずしも決勝まで勝ち上がる保証はないが、Aプール予選の戦いぶりは3戦全勝、20得点1失点。好調と言っていいだろう。
2018年アジア競技大会決勝で日本とインドは対戦し、日本が勝利してアジアの王者に輝いたことは記憶に新しく、インドはそのリベンジに燃えているはずだ。
田中が指摘した「サークル内のリザルト」を向上させ、さくらジャパンがプレーオフ、準決勝と順当に勝ち進み、決勝の舞台でインドと白熱した戦いを見せてくれることをホッケーファンは望んでいる。
(文・藤本一平)