【コラム】さくらジャパン、一谷と狐塚が50キャップ ~キャップ数にまつわる話~

2019.06.21 20:52 | 日本代表

キャップとは?

FIH(国際ホッケー連盟)公認の大会やテストマッチに出場すると1試合につき、1キャップという単位で出場試合数がカウントされていく。

サッカーやラグビーの母国であるイングランド(ホッケーの母国でもある)で、代表選手として試合に出場した選手に実際に「キャップ=帽子」が授与されることからそう呼ばれるようになったそうだ。

今回はそのキャップ数にまつわるトピックを紹介したい。

一谷と狐塚が50キャップ

FIHシリーズファイナル・広島大会に出場中の女子ホッケー日本代表さくらジャパン。

先日、6月20日(木)のポーランド戦で一谷と狐塚が50キャップ目を迎えた。

▼試合前の一谷の投稿

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. 50capI'm grateful to all of the people who help me. . . 緊張と不安で始まった5分間の1cap 怒鳴られて、泣いて終わった1cap . それから約4年経って、 いまみんなと戦う気持ちをもって、 ピッチに立てることに感謝します! . . . #gryphon #hockey

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▼キレのあるプレーが持ち味の狐塚

▼パスセンスが光る一谷

▼試合後の狐塚の投稿

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今日の試合で50capを迎えました 周りの人と今の環境に感謝! これからも一試合一試合全力で戦います #hockey #japan #sakurajapan #fihseriesfinals #gryphonlife

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記念すべき50キャップを地元開催で迎え、5-0で快勝したのは今後につながる「良き節目の迎え方」だったと言えるだろう。

さくらジャパンメンバーのキャップ数

今大会出場メンバーのポーランド戦を終えた時点でのキャップ数を見てみると永井(友)がトップの164。

背番号 選手名 チーム名 年齢 キャップ数
1景山 恵ソニーHC2663
4松本 夏波コカ・コーラ2340
5浅井 悠由コカ・コーラ2367
7永井 葉月ソニーHC24156
8真野 由佳梨ソニーHC25107
9山下 彰子コカ・コーラ3169
12永井 友理ソニーHC27164
13狐塚 美樹GSK2350
19森 花音コカ・コーラ2323
20狩野 真美南都銀行2352
21星 希巳加ソニーHC2336
23田中 泉樹コカ・コーラ2769
24小早川 志穂東海学院大学2011
25浦田 果菜立命館大学207
26鈴木 美結山梨学院大学2011
29尾本 桜子山梨学院大学2118
31田中 秋桜山梨学院大学2117
32一谷 奈歩ソニーHC2550

※ソニーHC ... ソニーHC BRAVIA Ladies
 コカ・コーラ ... コカ・コーラレッドスパークス
 南都銀行 ... 南都銀行SHOOTING STARS
 GSK ... グラクソ・スミスクラインOrangeUnited

次いで永井(葉)の156、真野の107と続き、100超えは合計3名だ。

大学生は尾本18、田中(秋)17、小早川と鈴木が11、浦田が7。

これからこの数字がどこまで伸びるのか、楽しみなところだ。

ドイツ代表・ヤヌは300

世界に目を向けると、つい先日、女子ドイツ代表キャプテンのヤヌ・ヴィランドが300キャップを迎えた。

彼女は2014年シーズン、コカ・コーラに所属し日本でプレーしていた選手で、リオデジャネイロオリンピックの銅メダリストでもある。

来年の東京オリンピックでの引退を示唆しており、ドイツが順当にオリンピックに出場できるかどうかも含めて、彼女の今後のプレーに注目していきたいところだ。

ワシームは400キャップ超え

筆者が知っている中でキャップ数が多い選手は元パキスタン代表(男子)のワシームだ。

FIHのデータベース「TMS」で確認できるだけでも407キャップ。

(このデータベースが整う以前に出場した試合もあると思われるので、実際の数字はもっと多いかもしれない)

彼は現在、オーストラリア・メルボルンのプレミアリーグでプレーしており、男子日本代表主将・山下のチームメートでもある。

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今年のゴールデンウィーク、山下のプレーを観にメルボルンを訪れた際にワシームのプレーも観ることができたが、さすがは400キャップ超えのベテラン。

体力面の衰えは否めないが、プレーの落ち着き、視野の広さは健在で、顔をあげた状態でフォアドリブルをしながらキラーパスを何本も出していた。

どこまで数字が伸びるか

今回のシリーズファイナルに出場しているさくらジャパンのメンバーは比較的若い選手が多い。

今後、日本の未来を背負っていく彼女たちのキャップ数がどこまで伸びていくのか。

そんな目線で今後の国際ゲームを追っていくのも、楽しみ方の一つかもしれない。

(文・藤本一平)