【解説してみた】FIHの新しい世界ランキングシステム

2020.02.06 22:28 | 日本代表

オリンピックイヤーの2020年が幕を開けたと同時に、国際ホッケー連盟(FIH)が発表する世界ランキングシステムが新しくなったことをご存知でしょうか?

今回はその新しい世界ランキングシステムを解説したいと思います。

なにがどう変わったか

2003年から採用されていたこれまでの世界ランキングシステムは対象となる国際大会の大会順位をもとにポイントが付与される仕組みでした。しかし、「大陸ごとの重み付けがあり、フェアではない」、「ポイント付与の仕組みがわかりにくい」、「4年間の総合ポイントが反映される仕組みのため、現在のパフォーマンスレベルが反映されるのに時間がかかる」などの短所がありました。

2020年1月1日から採用された新しい世界ランキングシステムは「主観的ではなく、大陸ごとの重み付けを無くしたフェアなシステム」、「公式試合ごとに世界ランキングポイントの変動をすぐに把握することができる」、「現状のパフォーマンスを正確に反映する」ものとなりました。

新しい世界ランキングシステムは他のスポーツのランキングシステムでも使用されている「イロ・レーティングシステム」(Elo rating system)という理論をベースに作成されています。

新しいシステムの特徴は下記の通りです。

文字だけだとイメージしにくい方もいると思いますので下記の画像で具体的な計算式と事例を紹介したいと思います(画像を押すと拡大表示できます)。

抑えておきたいポイントは

このあたりを抑えておくといいでしょう。

試合の意味合い

先日までさくらジャパンはアルゼンチンとテストマッチを行っていました。ランキングシステムの変更により、かつて世界ランキングに影響のなかったテストマッチもポイント対象となりました。

また、4月にサムライジャパンが出場予定のスルタンアズラン・シャーカップ(マレーシア)もおそらく「3チーム以上の招待試合」に該当し、試合の重要度「2」の試合としてポイント対象になるでしょう。

これまで対象外だった大会、試合がランキングポイントの対象になることでそれぞれの試合が持つ意味合いが変わり、選手たちのモチベーションやホッケーファンの注目度にも変化が起きることでしょう。

世界ランキングはどこで確認できる?

世界ランキングはFIHのホームページの下記URLにて随時更新されています。
http://www.fih.ch/rankings/outdoor/

また、マイホッケーのトップページでは男女の上位15チームずつのランキングをリアルタイムで表示しています(今後、さらにリニューアルする予定ですのでお楽しみに)。

日本代表の現在(2月6日)の世界ランキングは男子サムライジャパンは15位、女子さくらジャパンは14位です。オリンピック出場国(男女各12チーム)の中では男子は一番下位、女子は南アフリカに次いで下から2番目です。

オリンピックは大会の重要度が「10」と、ポイントに与える影響が大きい大会。上位チームに勝利すれば世界ランキングを一気に上昇させることも可能ですので、そういった意味でも日本の快進撃に期待がかかります。

オリンピックイヤーはこの新しい世界ランキングシステムをしっかりと頭に入れて、今後の動向に注目していきたいですね!

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以上、世界ランキングの解説でした。

参考:http://fih.ch/media/13342090/fih-world-ranking-system-january-2020.pdf