【第14日】日本は最終戦でマレーシアに2-3敗戦 15位で大会を終える/男子ホッケーW杯2023(インド)

2023.01.28 16:10 | 日本代表

 ホッケー男子の世界一を決める戦い、FIH男子ワールドカップは、28日にインド・ルールケラで13~16位決定戦が行われた。
 第一試合は日本代表サムライジャパン(世界ランキング18位/以下、WR)がマレーシア(WR11位)と対戦。第1Q、マレーシアにペナルティーコーナーのタッチシュートを決められ、先制点を許したが第2Qに加藤凌聖(LIEBE栃木)の右バックライン際からのパスをセカンドポストで待ち構えていた田中海渡(表示灯フラーテルホッケーチーム)が押し込み、同点に追いつく。第3Q2分、主将の田中世蓮(岐阜朝日クラブ)が強烈なヒットシュートを決め、逆転に成功。しかし、直後にヒットシュートを決められ、同点となり、さらに2分後の第3Q4分にスイープシュートを決められ、逆転される。その後は両チームチャンスを作るがスコアは動かず、日本は2-3で敗れた。
 第二試合はフランス(WR12位)がチリ(WR23位)に4-2で勝利した。13~16位決定戦で勝利したマレーシアとフランスが13位、敗れた日本とチリは15位となった。

この投稿をInstagramで見る

Int Hockey Federation(@fihockey)がシェアした投稿

 9~12位決定戦はアルゼンチン(WR7位)がウエールズ(15位)を6-0、インド(WR6位)が南アフリカ(14位)を5-2で下した。勝利したアルゼンチンとインドが9位、ウエールズと南アフリカが11位となった。

試合後インタビュー

高橋章ヘッドコーチ

 選手は暑い中、最後までファイトしてくれた。ただ、結果は2-3で特にゴールスコアリングのところでまだ足りないところがある。アジア大会、パリ五輪予選に向けて課題が明確になったと思う。
 (一度は逆転したが)1点リードしたあとすぐの失点は、ゲームコントロールの甘さが出た。若い選手を多く連れてきており、彼らにとってはいい勉強になったと思う。マレーシアの動きがあまりよくなかったので日本がボールを動かして攻撃しようとしていたがそれが裏目に出た。前からプレッシャーをかけてしまって、裏のスペースを使われた。得点したあとに3分でも5分でも試合を落ち着かせられたらよかった。
 (ペナルティーコーナーが1番騎に防がれていたが)今大会は全体としてペナルティーコーナーからの得点は減ってきている。フリッカーに対して、1番騎、2番騎、GKも含め、チームとして対応するレベルが上がっている。日本も対策を練って成果が出てきている。ただ、トップのチームは対策をされたとしてもペナルティーコーナーを決めてきている。決められないのは日本の課題。
 (今日は永吉拳のドラッグフリックを多く使っていくプランだったのか)前半は山田翔太にチャンスを与えたが1番騎に対応された。後半は永吉拳にチャンスを与えたが一度、ベンチに帰ってきたときに「打つコースがないです」と言っていた。そこからバリエーションも使っていきたいと思ったが合わなかった。自信を持ってプレーできなかったところかと思う。
 (大会を振り返って)4大会ぶり、17年ぶりに大会に出て、簡単に勝たせてもらえるほど世界のホッケーは甘くないことがわかった。若い選手たちが経験を積めたことは自分たちにとってポジティブに捉えていいと思う。これから今年(10月)のアジア大会やパリ五輪予選に向けていままでの取り組みではダメ。選手だけでなくスタッフも含め、また日本のホッケー界全体で変えていかないと世界のトップにはまだまだいけないということが明確になった。これからまたリスタートしたい。
 (今後、日本代表入りを目指す選手たちに求めることは)今回18人の選手がワールドカップを経験して、日本に持ち帰ってくれる。まだまだ日本のレベルは世界と大きな差がある。日本でも多くの方が世界のトップのホッケーを見たと思う。国内で結果を残すことではなく、世界のトップを基準にしていくことが大事。世界のホッケーの流れがどうなっているか、どれだけのインテンシティ(強度)でプレーしているかを感じてもらい、国内でもそういったトレーニングや戦術、試合の数が増えていけば、国内全体のレベルや選手のレベルも上がる。若い選手にもチャンスがあるのでがんばってもらいたい。
 (東京2020五輪で5得点を決めた田中健太選手のようなストライカーや、今大会得点を多く決めているオーストラリアのJeremy Hayward選手のようなドラッグフリッカーが必要か)今日はフィールドゴールで2得点。大会を通じて合計4点しか取れなかった。日本のストライカー(FW)は1点(ベルギー戦の福田健太郎のフィールドゴール)しか取れなかった。得点が取れなければ勝てないことは明らか。そこも日本の課題。悲観することはなく、反省するところは反省して次に向かって前に進みたい。

田中世蓮主将(岐阜朝日クラブ)

 (試合を振り返って)選手もスタッフも気合いが入っていて、いい雰囲気でゲームに入れたが、立ち上がりで失点しまうのが自分たちの悪いところ。このワールドカップ中に改善できなかったことが残念。
 (自ら得点を決めて逆転したことについて)全試合得点を狙っていたがなかなかチャンスが来なかった。今回はチャンスが来て得点できたことはよかったが、そのあとに浮足立ってしまうところが日本の課題。
 (得点後のゲームコントロールについて)集中するぞという話をしていたが、なかなかうまくいかなかった。
 (暑さの影響はあったか)足が攣りそうになっており、少なからず影響はあったと思う。
 (10月のアジア大会に向けて改善すべき点は)スキルはもちろん、メンタルの部分をもっと鍛える必要がある。試合や練習の取り組み方を振り返って、一からやり直したい。

写真

国歌斉唱
日本のペナルティーコーナー

明日29日は大会最終日

 今大会は16チームが参加し、4グループによる1回戦総当りのリーグ戦の後、その順位に基づいた順位決定戦を実施する。明日29日に大会最終日を迎える。(試合開始時間は日本時間)

29日 3位決定戦・決勝戦@ブバネーシュワル

日本の試合結果

予選リーグ

9~16位決定予備戦

13~16位決定戦

ライブ配信

 本大会の試合はFIH(国際ホッケー連盟)のホッケー映像配信サイト「Watch.Hockey」(英語)で配信される。会員登録をし、コンペティションパス(有料)を購入するとすべての試合を視聴できる。

大会概要

大会名第15回 FIH 男子ワールドカップ (2023/ブバネーシュワル・ルールケラ)
FIH Odisha Hockey Men’s World Cup 2023 Bhubaneswar – Rourkela
主催FIH(国際ホッケー連盟)
開催都市インド・ブバネーシュワル、ルールケラ
UTC+5:30(日本との時差-3時間30分)
日程2023年1月13日(金)~29日(日) 17日間
会場・ブバネーシュワル:カリンガスタジアム(Kalinga Stadium)
・ルールケラ:ビルサムンダインターナショナルホッケースタジアム(Birsa Munda International Hockey Stadium)
出場国16ヶ国
グループA:オーストラリア、アルゼンチン、フランス、南アフリカ
グループB:日本、ベルギー、ドイツ、韓国
グループC:オランダ、ニュージーランド、マレーシア、チリ
グループD:インド、イングランド、スペイン、ウェールズ
試合方式4グループによる1回戦総当りのリーグ戦の後、その順位に基づいた順位決定戦を実施。

■日本ホッケー協会の大会ページはこちら

関連記事