【アジア大会展望】連覇を目指す女子ホッケーさくらジャパン 27日に初戦/第19回アジア競技大会(2023/杭州)

2023.09.22 20:30 | 日本代表

 第19回アジア競技大会(中国・杭州)のホッケー女子は25日に開幕する。前回のジャカルタ大会で初優勝を果たした女子日本代表さくらジャパンは、優勝国に与えられる2024年パリオリンピック(以下、パリ五輪)の出場権獲得を目指して戦う。

アジア競技大会とは

 アジア諸国の総合競技大会として、第2次世界大戦後インドの提唱により、1951年ニューデリー(インド)で第1回大会が開催された。主催はアジア・オリンピック評議会(OCA)。アジア版五輪として4年に一度、五輪の中間年に開催される。ホッケー競技は五輪大陸予選を兼ね、優勝国はパリ五輪出場権を獲得する。

出場国

 女子の出場国は以下の10チーム。(カッコ内は世界ランキング)

■Aグループ
インド(7位)
韓国(12位)
マレーシア(19位)
シンガポール(34位)
香港(36位)

■Bグループ
日本(10位)
中国(11位)
タイ(30位)
カザフスタン(35位)
インドネシア(69位)

※世界ランキングは9月22日時点

大会形式・日程

 2グループによる1回戦総当りのリーグ戦の後、両グループの1位対2位で準決勝が行われる。3位以下は同じ順位のチーム同士で順位決定戦が行われる。さくらジャパンはグループBに入った。試合日程は以下の通り。

9月27日(水) 11:15 vs インドネシア
9月29日(金) 13:45 vs タイ
10月1日(日) 19:35 vs 中国
10月3日(火) 17:00 vs カザフスタン
10月5日(木) 準決勝
10月7日(土) 決勝戦

大会展望

 Bグループはさくらジャパンと中国の2強で、それ以外のチームとは力の差があり、本来の実力を出せばさくらジャパンの準決勝進出は堅いだろう。第3戦の対中国はアウェイでの戦いとなる。中国との直近3回の対戦成績は、東京2020五輪で3-4で敗れたが、その後、2021年のアジアチャンピオンズトロフィー(韓国・東海市)のグループリーグ戦は3-2で勝利し、2022年のアジアカップ(オマーン・マスカット)の準決勝でも2-1で勝利している。中国に勝利し、1位通過を狙いたい。

 対するAグループは、インドと韓国が勝ち上がってくることが予想される。両チームは2022年のアジアカップ準決勝で対戦し、韓国が3-2で勝利した。世界ランキングはインドが上位だが、韓国も一発勝負の強さがある。いずれが勝ち上がってきたとしても、準決勝でのさくらジャパンとの試合は接戦になるだろう。

 日本は前回のジャカルタ大会で男女アベックでの初優勝を果たしている。主将のFW永井友理(ソニーHC BRAVIA Ladies)は「アジア大会で金メダルを取れると信じている。自信を持って戦いたい」と意気込む。副将のDF狐塚美樹(グラクソ・スミスクライン Orange United)は「選手やスタッフでお互いに意見を交わしながら連携を高め、最高のチームにしていきたい。目標は優勝です」と気合を入れる。

国際強化マッチの試合後に笑顔を見せる永井友理主将(右)と狐塚美樹(中央) 写真=金子周平

 さくらジャパンは、ジュード・メネゼスヘッドコーチが強みと語る「前線からの激しいプレス」で相手チームにプレッシャーを与え、高い位置でボールを奪って試合のペースをつかみたい。後方からの攻撃の組み立てはDF及川栞(東京ヴェルディホッケーチーム)やDF浅井悠由(コカ·コーラレッドスパークス)からのロングパス、あるいはMF永井葉月(ソニーHC BRAVIA Ladies)のキラーパスを前線につなぎ、9月初旬の国際強化マッチでもゴールをあげたFW鳥山麻衣(南都銀行 SHOOTING STARS)や永井友理らが得点を狙う。

 高円宮牌ホッケー日本リーグで今季レギュラーステージ得点王のMF中込紅莉(コカ·コーラレッドスパークス)やMF島田あみる(南都銀行 SHOOTING STARS)のスピードあるドリブル突破にも注目だ。唯一、大学生で選出されたMF長谷川美優(天理大学)は先日の国際強化マッチで攻守にわたって好プレーを見せ、試合で最も活躍した選手に送られるPOM賞(Player of the Match)を獲得した。若手選手たちの国際大会でのブレークに期待したい。

国際強化マッチで積極的なプレーを見せた長谷川美優 写真=金子周平

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