2025.09.30 15:13 | 日本代表
アジアホッケー連盟(AHF)主催の国際大会「AHF Hero アジアカップ」(インド・ラジギール)は9月10日に閉幕し、男子ホッケー日本代表サムライジャパンは5位で大会を終えた。
この結果、日本は2026年2月28日〜3月8日に開催されるワールドカップ最終予選(開催地は未定)への出場権を獲得した。(写真=AHF)
アジアの頂点を狙って乗り込んだHero Asia Cup 2025だったが、結果は5位。数字だけ見れば物足りないかもしれない。だが、その過程には確かな収穫と悔しさが刻まれた。
初戦カザフスタン戦を7–0で勝利した日本は、第2戦で世界ランキング7位のインドを相手に2–3と肉薄。さらに中国戦では2点差を追いつく意地を見せたものの、得失点差でSuper 4s進出を逃した。「あと一歩」の現実を突きつけられた。
それでもサムライジャパンは下を向かなかった。順位決定予備戦では中華台北を2–0で退け、迎えた5位決定戦・バングラデシュ戦ではスローガン「オールアウト」を体現。#35篠原陵佑のハットトリックを含む6–1の快勝で締めくくった。若手の成長とベテランの支えが融合し、チーム全体の力を証明した試合だった。
次なる舞台は2026年2〜3月のワールドカップ最終予選。一戦必勝のサバイバルで、彼らは再び挑む。アジアの頂点を越え、その先にある「世界」へ――サムライジャパンの道のりはまだ続いていく。
日本 7-0 カザフスタン
(3-0/0-0/1-0/3-0)
得点者:FG #24河邉皓星、FG #6⽊村真琉、PC #1⼭﨑晃嗣、FG 1⼭﨑晃嗣、PC #15永吉拳、PC #2山田翔太、FG #35篠原陵佑
初戦の相手は世界ランキング下位のカザフスタン。Super 4s進出を狙う日本にとって「いかに得点を積み重ねるか」がテーマとなった。
試合開始1分、#24河邉皓星の先制点で試合を優位に進めると、#1山﨑晃嗣が2得点を挙げるなど攻撃陣が着実に加点。PCからの得点も決まり、終盤は#35篠原陵佑もゴールを奪い、7-0で試合終了。多くのチャンスを作ったが、得点は二桁まで伸ばせず。それでも無失点で初戦を勝利で飾った。
日本 2-3 インド
(0-2/0-0/1-1/1-0)
得点者:FG #24河邉皓星、FG #24河邉皓星
第2戦は、地元の大声援を受けた強豪インドとの一戦。開始早々に2失点を喫し、苦しい立ち上がりとなった。だが日本も徐々に落ち着きを取り戻し、PCやカウンターからチャンスを作る。
第3Qには#24河邉皓星がシュートを決めて1-2と迫るも、直後に再びPCから追加点を奪われ、1-3に。終盤には再び#24河邉が押し込み、残り数分で1点差まで追い上げたが、試合はそのまま終了。2-3で惜敗。勝利こそ逃したが、アジア最強クラスを最後まで追い詰めた内容は今後に向けて手応え十分だった。
日本 2-2 中国
(0-1/1-1/0-0/1-0)
得点者:FG #11松本和将、PC #11松本和将
Super 4s進出がかかる大一番。勝利が必須条件の日本は序盤から積極的に攻めるが、中国の堅守速攻に苦しみ先制を許す。その後もロングパスから追加点を奪われ、0-2とリードを広げられる苦しい展開に。
それでも諦めない日本は、前半終了間際に#11松本和将が巧みなタッチでゴールを決め1-2と追い上げる。第4Qには再び#11松本が豪快な一撃を突き刺し、ついに同点に。残り数分はGKを外したパワープレーで猛攻を仕掛けたが、中国の守備を崩し切れず、2-2の引き分け。得失点差で中国に及ばず、惜しくもSuper 4s進出を逃し、グループ3位でフィニッシュした。
※この試合で#22田中海渡が100キャップ、#4川原大和が50キャップを達成。
日本 2-0 中華台北
(2-0/0-0/0-0/0-0)
得点者:FG #35篠原陵佑、FG #35篠原陵佑
強い日差しと湿度の中で行われた一戦。日本は立ち上がりから主導権を握り、#35篠原陵佑 がリバースシュートで2得点を奪い前半で2-0とリード。以降も攻め続けるが、相手GKの好守やスキルミス、判断ミスなどで追加点を奪えない時間が続いた。後半もPCやリバウンドから何度もゴールに迫るも、ビデオリファーラルで幻の得点もあり、最後までスコアは動かず。
守備面では#13山下学らがカウンターをしっかり封じ、危なげなく完封。2-0で勝利し5位決定戦へ進出した。
日本 6-1 バングラデシュ
(2-0/0-0/2-0/2-1)
得点者:PC #1⼭﨑晃嗣、PC #35篠原陵佑、PC #15永吉拳、FG #35篠原陵佑、FG #5田中世蓮、PC #35篠原陵佑
勝てばワールドカップ最終予選の切符を掴む重要な試合。日本は序盤から積極的に仕掛け、PCから#1山﨑晃嗣のタッチ、こぼれ球を押し込んだ#35篠原陵佑のゴールで2点を先取。
第3Qには#15永吉拳のドラッグフリックからのゴール、さらに#35篠原が決めて4-0と突き放す。最終Qにはカウンターから#5田中世蓮が追加点を挙げ、#35篠原がリバースタッチでハットトリック達成。守備陣も集中力を切らさず、失点は1点にとどめた。
結果は6-1で快勝し、今大会5位フィニッシュ。同時に、2026年2〜3月に開催されるワールドカップ最終予選への出場権を獲得した。
※カッコ内の数字は大会前の世界ランキングと大会後の世界ランキング
日本は18位のまま、順位の変動がなかった。