2025.09.30 15:13 | 日本代表
アジアホッケー連盟(AHF)が主催する国際大会、 第11回 AHF アジアカップ (中国/杭州) は9月14日に閉幕した。女子ホッケー日本代表さくらジャパンは3位決定戦に勝利し、銅メダルを獲得。ワールドカップ最終予選への出場権を獲得した。(写真=AHF)
日本は今大会、アジアトップを狙って挑んだが、Super 4s(上位リーグ)で中国・インドという強豪を相手に勝ち切ることはできず、決勝進出はならなかった。中国戦ではパリオリンピック銀メダルの実力を見せつけられ、インド戦では終盤の粘りで同点に追いついたものの、あと一歩の決定力が課題として浮かび上がった。一方で韓国戦では2試合とも互角以上に渡り合い、特に3位決定戦では逆転勝利で大会を締めくくることに成功した。
攻守にわたり成長が感じられたのは、守備陣の奮闘だ。GKのビッグセーブをはじめ、DF陣が連動して最後までゴールを守り抜いた姿勢は、大会を通じての大きな収穫だった。また攻撃面では、#28村山裕香を筆頭に若手が勝負どころで得点に絡み、存在感を示したこともチームにとって大きい。
目標には届かなかったが、世界ランク上位国に対して最後まで戦い抜いた経験は、必ず次につながる。日本は今大会3位でワールドカップ最終予選の切符を獲得した。ここから先、さらに精度と決定力を高め、世界の舞台での飛躍を目指すことになる。
日本 0-2 中国
(0-1/0-0/0-1/0-0)
90分遅れで始まった試合は、中国のスピードとプレスに日本が押し込まれる展開。第1Qに右サイド突破から先制を許し、前半を0-1で折り返した。第3QにもPCから追加点を奪われ、苦しい状況が続く。
終盤には#29小早川志穂や#26島田あみるを中心に反撃を仕掛け、連続でPCを得たが決め切れず、0-2で敗戦。守備陣は体を張って粘ったが、攻撃では世界トップレベルの壁を崩せなかった一戦となった。
日本 1-1 韓国
(1-0/0-0/0-1/0-0)
得点者:PC #7鈴木美結
第1Qからアグレッシブに仕掛けた日本は、PCから#7鈴木美結が合わせて先制。前半は1-0とリードして折り返す。後半は韓国のプレス強度が上がり、PCやカウンターからピンチを迎えるもGKやDF陣の好守で耐えた。
しかし第3Qに同点を許し、その後も韓国に押し込まれる時間が続いた。第4Qは日本も果敢に攻めたがゴールを奪えず、1-1でドロー。勝ち点1を積み上げたが、勝ち切るにはもう一歩の精度が求められる内容だった。
日本 1-1 インド
(0-1/0-0/0-0/1-0)
得点者:FG #28村山裕香
ファイナル進出のためには勝利が必須となった大一番。序盤にインドの速攻から先制点を許したものの、日本は落ち着いて守備を立て直し、徐々にボールポゼッションを増やす。
中盤以降は#26島田あみるや#19錦織えみを中心にチャンスを作り、終盤にはDF陣の体を張った守備で追加点を与えなかった。そして第4Q、パワープレーから#26島田あみるがドリブル突破し、#28村山裕香が滑り込みながら押し込み、土壇場で同点に追いついた。
1-1で終了し、ファイナル進出は叶わなかったが、最後まで勝負を諦めない姿勢が光った。
POM(Player of the Match)には攻守で存在感を示した#29小早川志穂が選出された。
日本 2-1 韓国
2-1(0-1/1-0/1-0/0-0)
得点者:FG #29小早川志穂、FG #28村山裕香
韓国との再戦となった3位決定戦。序盤に失点して追う展開となるが、20分に#29小早川志穂がゴール前で押し込み同点とする。さらに後半、#23田中彩樹の反則奪取から#26島田あみるのダイレクトパス、最後は#28村山裕香が力強いヒットでネットを揺らし、2-1と逆転に成功した。
終盤は韓国に連続でPCを与える苦しい時間帯もあったが、GK#27田中秋桜が集中したセーブを連発し、守備陣も身体を投げ出してゴールを死守。そのまま逃げ切り、2-1で勝利。日本は見事3位で大会を終え、ワールドカップ最終予選の切符を掴んだ。
試合を決定づけるセーブを見せたGK#27田中秋桜がPOMに選出された。
※カッコ内の数字は大会前の世界ランキングと大会後の世界ランキング
日本は12位からランキングを1つ上げて11位となった。