
2025.12.15 13:23
「あと一歩」の差を実感した1年を、勝負の年につなげていく。サムライジャパンの穴井善博ヘッドコーチに就任2年目となった2025年の総括と、ロサンゼルス五輪出場権の懸かるアジア大会が日本で開催される2026年の抱負を聞いた。

就任した2024年はスタートから結果(スルタンアズランシャーカップ優勝)が出ましたが、今年のネーションズカップは最下位決定戦と言える最後の試合に勝って、ぎりぎりのラインで大会を終えました。あらためて世界で勝つためには何が必要なのかを学ばせてもらった年で、チームとしても再認識でき、成長するきっかけをもらえた年だと思っています。
選手の時から経験してきたことで、本当にあと一歩届かない、あと1点、あと1勝のところです。去年のアジアチャンピオンズトロフィーから多くが1点差ゲームです。あと一歩、同じことを繰り返しています。今年のアジアカップでは予選プールでインドには2―3、中国には2―2。細かな部分での違いは当然あるのですが、結局どれもあと一歩。その一歩、1点、1勝をどう詰めるかというところです。
『ALL OUT』(オールアウト)のスローガンをチームの柱にすることを選手と話し合って決めました。全身全霊とか、力を出しきる、命がけで戦うといった意味です。試合は60分間でも、勝敗を決めるのは一瞬のところ。そこで逃げてしまったとか、ボールを追いきれなかったとか、全体的には良くても一瞬の部分、特にメンタリティーの部分がポイントです。それをチームとして分かって、フォーカスできてきました。
試合で体現できるようになってきています。ネーションズカップで、負ければネーションズカップ2に落ちる最後の試合の南アフリカ戦。世界ランキング上位でパリ・オリンピックにも出ている相手に、全身全霊、オールアウトして戦え、追い込まれた状況から2―1で勝てました。選手もこれだ、というものが、そのときにあったようです。そこからチームは大きく変わってきました。
