サムライジャパン、福田、田中(健)、村田が得点するもインドに3-6で敗れ、3位決定戦へ/東京2020テストイベント「READY STEADY TOKYO HOCKEY」

2019.08.20 16:48 | 日本代表

ホッケー男子日本代表サムライジャパン(世界ランキング16位)は8月20日(火)、大井ホッケー競技場のノースピッチで行われた東京2020オリンピックテストイベント「READY STEADY TOKYO HOCKEY」の第3戦でインド代表(同5位)と対戦。福田健太郎、田中健太、村田和麻が得点をあげたが、インドに3-6で敗れた。21日(水)の大会最終日はニュージーランドとインドが決勝進出を決め、日本は3位決定戦でマレーシアと対戦する。
(0-3/1-2/1-1/1-0)

大井ホッケー競技場で11時45分より試合が行われた 写真/金子周平

大井ホッケー競技場で11時45分より試合が行われた 写真/金子周平

【得点者】
 3分 FG SHARMA Nilakanta
 7分 PC XESS Nilam
 9分 FG SINGH Mandeep
25分 FG 福田健太郎(岐阜朝日クラブ)
29分 FG SINGH Mandeep
30分 FG SINGH Mandeep
36分 FG 田中健太(HGC)
41分 FG SINGH Gurjant
52分 FG 村田和麻(小矢部RED OX)

サムライジャパンの出場メンバー

サムライジャパンは下記の16名が出場した。
(先発選手は「×」マーク。途中交代で出場した選手は最初にピッチに立った時間を表記)

No. Po. 名前 先発 チーム 所属
1FW山﨑 晃嗣3滋賀クラブ(株)SCREENホールディングス
4MF三谷 元騎X福井クラブ越前町役場
5MF田中 世蓮X岐阜朝日クラブ(公社)ぎふ瑞穂S ※
6MF落合 大将3LIEBE栃木北関東綜合警備保障 (株)
7FW村田 和麻X小矢部RED OXNPO法人おやべスポーツクラブ
9FW田中 健太XHGC HC
12MF永井 祐真4岐阜朝日クラブ
13DF山下 学X小矢部RED OX(株)とやまアイホーム
17FW福田 健太郎X岐阜朝日クラブ(公社)ぎふ瑞穂S ※
20DF大橋 雅貴XLIEBE栃木北関東綜合警備保障 (株)
21FW和久利 裕貴X福井クラブ福井県庁
25DF山田 翔太X岐阜朝日クラブ(公社)ぎふ瑞穂S ※
29DF膳棚 大剛X天理大学ベアーズゴールド (株)
30GK吉川 貴史X岐阜朝日クラブ(公社)ぎふ瑞穂S ※
31FW渡辺 晃大3福井クラブ越前町役場
32DF霧下 義貴7天理大学天理大学

※(公社)ぎふ瑞穂S =(公社)ぎふ瑞穂スポーツガーデン

前半、日本は自分たちのプレーができず

第1Q開始早々日本はペナルティーコーナー(PC)を獲得するが、ボールストッパーとシューターの連係ミスでシュートを打てない。直後の3分、インドはPCを取得し、このPCはミスするがその後の日本のボールを奪ってカウンター。18番、SHARMA Nilakantagaが打ったヒットシュートがゴール右に決まり、インドが先制する。その後も、インドが攻め続け、7分にはXESS NilamがPCのドラッグフリックで、9分には11番SINGH Mandeepがリバースヒットでゴールを決めて0-3。インドが主導権を握り、日本はシュートをまともに打てずに第1Qを終える。

第2Qに入るとインドはさらに前線から激しいプレスをかけてくる。日本も負けじと応戦し、25分、山田翔太のパスに反応した福田健太郎が鮮やかなタッチシュートを決めて1点を返す。勢いに乗りたい日本だったが、インドは素早い詰めとパスワーク、そして個人技で日本陣地に攻め込み、29分と30分に同じような形で11番Mandeepがゴール前のタッチシュートを押し込み2点を追加。1-5で前半を終える。

タッチシュートで得点を決め、ガッツポーズの福田健太郎 写真/金子周平

タッチシュートで得点を決め、ガッツポーズの福田健太郎 写真/金子周平

後半は田中(健)、村田がゴール

日差しが強くなった第3Q、日本は前半MFだった田中健太をFWにあげる。開始早々、和久利裕貴が巧みな3Dドリブルでサークル侵入し、シュートを放つもインドGKがセーブする。36分、自陣23mでボールを奪った日本は山﨑晃嗣が前線の田中(健)にロングパスをつなぎ、田中(健)は得意のドリブルでGKを交わしてゴールを決め、1点を返す。追加点をあげたい日本だったが、反対にインドに右サイドエンドライン際を崩され、失点し、2-6で第3Qを終える。

ゴールキーパーとの1対1の場面で落ち着いてシュートを決めた田中健太

ゴールキーパーとの1対1の場面で落ち着いてシュートを決めた田中健太 写真/金子周平

迎えた最終クォーター、日本は52分、村田和麻がサークルトップから出したパスのこぼれ球をうまく自分で拾い、ゴール左下に見事なヒットシュートを決める。前半に比べるとリズムがよくなった日本だが、その後も追加点を奪うことができず、選手たちが「自分たちのホッケーができていなかった」と語った前半のできの悪さが響き、3-6で敗れた。

インドのペナルティーコーナーを阻むサムライジャパン 写真/金子周平

インドのペナルティーコーナーを阻むサムライジャパン 写真/金子周平

3得点を決めた 24歳のSINGH Mandeep 写真/金子周平

3得点を決めた 24歳のSINGH Mandeep 写真/金子周平

試合の振り返り

2018年アジア競技大会では0-8、2019年3月のアズランシャーカップでは0-2、6月のFIHシリーズファイナル(インド)では2-7で敗れていたインドとの対戦。今回は前半だけで5失点を喫して敗戦した。

インドは平均年齢23歳という若手主体で今大会に臨んでいるが、世界ランキング5位チームの層は厚く、攻撃時のパスワークやドリブルスキル、守備時の組織的プレスや1対1の球際の強さなど、日本よりも高いパフォーマンスを見せ、予選リーグ2勝1敗で決勝進出を決めた。

日本は試合開始直後にPCを取得したがそのチャンスでシュートを打てずに終わると、その後は味方ではなく相手に出してしまうパスミス、あるいはサークル内からのクリアミスなど、息の合っていないプレーが目立ち、自滅。25分に福田が一矢報いるも、第2Q終了間際に立て続けに2失点し、前半で試合を決められてしまった形だ。

後半は田中(健)をFWにあげ、村田をMFに置く布陣で臨み、ポジションチェンジが功を奏したのか、その2人がゴールを決める活躍を見せた。点差が開いたことでインドの気持ちに緩みが出たかもしれないが、主導権を握って戦えた後半のプレーを前半からできていれば結果は違っていただろう。

大会最終日となる21日(水)、日本は18(日)に3-1で勝利したマレーシアと3位決定戦に臨む。今日の敗戦からどれだけ心身ともにリカバリーできるか。国際大会では必須となる連戦への適応力が試される一戦となるだろう。

選手コメント

■2試合連続ゴールを決めた村田和麻

「(ゴールシーンは)祐真にパスを出したんですけど相手のスティックに当たってその浮いた球を打って決めた形でした。ラッキーな形でしたがダイレクトで打ったのはよかったかなと思います。

(後半からポジションがFWからMFに変わったのは)攻撃的にいくということで健太さんを1個上げるというポジションチェンジでした。後半はパス&レシーブで繋げて、自分たちのホッケーができたかなと思うんですけど、前半は苦しい時間が続いて相手のプレスにやられて自分たちのビルドアップがうまくできず、ロングボールやスクープパスが多くなってしまった。自分たちがパニックになった状況が多かったかなと。後半は自分たちのホッケーができたかな、と思う」

2戦連続ゴールを決めた村田和麻 写真/金子周平

2戦連続ゴールを決めた村田和麻 写真/金子周平

■マレーシア戦に続き2試合連続ゴールを決めた福田健太郎

「(得点について)山田選手からのパスだったんですけれどそれに対してディフェンスの前でしっかりとタッチできたのでそれは良かった。ただインドのプレスがあって、日本の選手同士の距離が広がってしまいボールを持った選手が孤立をしてしまう場面が多くなってしまった。そこはしっかりボールを要求していかないといけないなと思いました。

(明日のマレーシア戦に向けて)もちろん決勝には進みたかったんですけどこういう形になってしまったので、明日のマレーシア戦でもフォワードとして得点を取って勝って締めくくりたいです」

■福田のゴールをアシストした山田翔太

「(チームとしてPCの攻撃がなかなか決まらないが)シュートを打つ選手だけの仕事でなく、バリエーションに入る選手が自分にも来るぞ、という雰囲気を持たせることで相手も警戒してくるので、それがしっかりできてなかったりして。バリエーションも相手にバレてたりしている。ほかのバリエーションも入れていかないと相手の意識をずらすことができないので、それをできたらもっと簡単に攻められるかな、と思います」

■後半にゴールを決めた田中健大

「(前半はMFで後半からFWになったのは)監督の指示でポジションを変わった。点差が開いた試合だったので後半はFWで使われたが明日の序盤はまたMFでゲームメイクしていくと思う。

インドとは力の差があるというより、自分たちのミスで最初に崩れている。本当にそこだけだと思う。それ以外のところでしっかりとプレーできれば戦えると思う。3月のアズランシャーカップ(マレーシア)は俺は出ていないけど(インドと)僅差だった。

自分たちで崩れないようなメンタリティを持てているときはいいけど、今日のような相手を「恐れている」ようなメンタリティではいけない。最後列でパスカットされてカウンターされたり、普段のプレーでは見られないようなミスがあって、それもメンタル的な部分だと思うし、これを改善しない限り繰り返していってしまう。

気持ちの持ち方が大事で「絶対に負けない」という気持ちがもっと必要。シギさん(アイクマンコーチ)も「お前たちはインドを恐れている」と言っている。いままで経験を積んでいる選手がミスが多くてはいけない。明日(3位決定戦のマレーシア戦)、がんばります」

■キャプテン山下学

「ニュージーランド戦とマレーシア戦でフルプレスがうまくはまっていました。インドは多分引いてくるという予想だったので、フルプレスで仕掛けようと。ただ、インドのワイドなポジショニングに対して日本が外に行ってしまって中をうまく使われた結果、失点が増えたと思います。

(明日のマレーシア戦に向けて)この前は勝てましたけれど次に勝てる保証はないし、ただ自分たちのやることを最初からできれば勝てると信じてます。自分たちがやってることがうまくいかないとバタバタしちゃうので、今日の失点シーンを振り返ってミーティングで話して、みんなでやれば結果がついてくると思う。アタック(攻撃)は調子いいプレーヤーが多い。ペナルティーコーナーはまだ得点がないのでそこもポイントかなと」

気持ちを切り替え、マレーシア戦へ挑むキャプテン山下学

気持ちを切り替え、マレーシア戦へ挑むキャプテン山下学 写真/金子周平

その他の試合結果

ニュージーランド 3-1 マレーシア

■東京2020テストイベントの大会ページはこちら

■オリンピック特集ページはこちら