2019.12.03 16:54 | 大会情報
つい先日閉幕した関西学生秋季リーグを8季連続で制して勢いに乗る立命館大学(昨年準優勝)と11月の日本リーグ・ファイナルステージでH2(2部)を制した表示灯フラーテルの対戦は奇しくも1年前の1回戦と同じ組み合わせとなった。昨年は終盤に得点を重ねた立命館に軍配が上がったが、今年は両チームとも仕上がりがよくどちらが勝ってもおかしくない一戦となるだろう。
立命館はH1レギュラーステージ得点王の大黒柱・加藤凌聖を筆頭に、藤島来葵、為国龍次ら豊富なタレント陣を揃える。学生リーグは好調だったが、社会人チームとの対戦があった日本リーグは4位に終わった。社会人相手でも実力を発揮できるかどうかが勝負の分かれ目となる。
表示灯は黄金期に優勝経験を重ねている粥川幸司、長澤克好らのベテラン勢を中心に、中堅の吉原平太、羽田康佑や新人でH2レギュラーステージ得点ランキング2位の小川恭平らがどこまで呼応できるか。社会人選手権準決勝では優勝した岐阜朝日クラブと引き分け後のSO戦で敗れており、今大会でそのリベンジを果たすためには初戦で敗れるわけにはいかない。
両チームの指揮官(立命館・山口氏と表示灯・姜氏)の采配、また、ペナルティーコーナーの攻防も見物となるだろう。
▼昨年の決勝戦でドラッグフリックを打つ加藤
8年ぶりの全日本選手権出場となる小矢部RED OX(社会人2位)は2年連続出場の福井工業大学(学生4位)との対戦に臨む。今年の小矢部は日本代表として活躍する村田和麻が攻撃の起点となり、主将の瀬島史也、ベテランの河合亮平、太田翔らもうまく噛み合って久々に全日本選手権への切符を手に入れた。今大会には日本代表主将の山下学も出場予定だ。落ち着いた試合運びと隙をつくカウンターアタックで試合巧者ぶりを発揮できれば上位進出が見込めるだろう。
対する福井工業大学は今シーズンから日本リーグに新規参入し、試合経験を重ねて学生のTOP4にコンスタントに入り込むようになってきた。全日本選手権は2年連続の出場だ。中心となるのは後方からロングパスを供給する渡辺恵大、中盤をコントロールする谷川和也、スキルを持ったFWの中花惇。朱監督のもとで培った豊富な練習量でピッチをかき回すことができれば勝機が出てくるだろう。
インカレ5連覇を達成した山梨学院大学と8年連続出場の箕島ホッケークラブとの対戦。この対戦カードは一昨年から3年連続で同じ顔合わせとなった(過去2回は山梨学院が勝利)。
山梨学院はインカレMVPのDF田村陸を中心に守備を固め、中盤の小澤航太、田村圭梧、高橋洋介、前線では河邉皓星、松本和将といった能力の高いメンバーが揃っている。シーズン前半は苦しんだが、時間を経てチームとしての完成度も高まっており、悲願の初優勝に期待がかかる。
一方の箕島ホッケークラブは8年連続出場だが2015年の準優勝以来、上位進出を果たせていない。近年は新戦力の加入が少なく選手層に課題があるが、坂本博紀、佐々木康介らのゲームコントロール能力は高く、前線の松本匡史、大西春輝が一発カウンターを決め、GK清水大貴が堅守できれば試合展開はおもしろくなるだろう。
3連覇を目指す岐阜朝日クラブに対して、過去7回優勝の伝統校・明治大学が臨む構図となる。両者は2017年の決勝戦で対戦しており、1対0の僅差で岐阜朝日が勝利している。
今季の岐阜朝日は落合晴輝、千葉健寛など力のある新人が加入し、社会人選手権を制したが、3連覇を目指した日本リーグは決勝戦で天理大学に敗れた。シーズンを優勝で締めくくるべく今大会にかける想いは強い。司令塔の田中世蓮を軸にゲームを支配し、守護神・吉川貴史がゴールを固め、福田健太郎、永井祐真らのスピードある攻撃陣が力を発揮できれば3連覇達成が近付くはずだ。
明治大学はインカレで王座優勝の朝日大学、日本リーグ優勝の天理大学を破って全日本選手権への切符を手にした。主将の舘亮佑、GK野井辰真、DF橋本岳樹、MF鵜飼聡太などの中心選手は2年前の決勝戦出場経験もあり、成長した姿を見せる絶好の機会だ。古川裕大、森紘之ら若手の勢いも加えて王者相手に波乱を起こしたい。
▼岐阜朝日クラブ(昨年の優勝後)
今大会に出場している8チームのうち、優勝経験があるのは下記の4チーム。
チーム | 優勝回数 | 最新の 優勝年度 |
---|---|---|
名古屋フラーテルホッケーチーム*1 | 18 | 2014 |
明治大学*2 | 7 | 1962 |
立命館大学 | 3 | 2011 |
岐阜朝日クラブ | 2 | 2018 |
*1:現在は表示灯フラーテルホッケーチーム(表示灯ホッケーチーム 12回を含む)
*2:明治大学A 1回を含む
岐阜朝日クラブは現在2連覇中でその記録を伸ばすことができるか、注目が集まる。また、過去22回の歴代最多優勝回数を誇る天理大学はインカレでベスト4に入ることができず、全日本選手権への出場権を逃した。山梨学院大学、小矢部RED OX、箕島ホッケークラブ、福井工業大学は初優勝を目指す。
来年の東京オリンピックで活躍が期待される日本代表候補選手たちも多く出場する全日本選手権。観客を楽しませるハイパフォーマンス、代表選考戦線に名乗りを上げるニューフェイスの登場にも期待したいところだ。
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