2020.12.11 16:00 | 海外
ホッケー界のトップ選手として走り続け、海外遠征も多く経験していた田中だが、初めての海外生活に「不安は大きかった」という。
特に不安だったのが語学だ。オーストラリア人やアルゼンチン人も在籍するクラブではチームメイトとのコミュニケーションは基本的に英語。
現在の日本代表ヘッドコーチ、Siegfried Aikman氏(ジークフリート・アイクマン/オランダ出身)や元日本代表ヘッドコーチの姜建旭氏(カン・ゴンウク/韓国出身)など、外国人指導者から英語で指導を受けてきたこともあり、リスニング力は養っていたがスピーキング力は「正直、話せるレベルではなかった」。
コミュニケーションに苦労した1年目。ポジション争いが激しく、慣れない異国の地でのプレーに「最初は委縮して安全なプレーを選択していた」という田中。
しかし、HGCのヘッドコーチ、Paul van Ass(ポール・ファン・アス)からの「お前に求めているのはパスじゃない、ドリブルだ」という一言で目覚め、得意のスピードあるドリブルでチャンスを作り、戦術理解や守備に対する意識も向上させた。
その結果、元オランダ代表ヘッドコーチとしてロンドン五輪銀メダルを獲得した名将からの信頼を獲得し、レギュラーを勝ち取った。
田中は1年目に22試合でチーム2位の9得点という活躍を見せ、HGCは3位という好成績を残した。2018年9月には日本代表の一員として出場したアジア競技大会(ジャカルタ)の決勝・マレーシア戦でゴールを決めて初優勝に大きく貢献するなど、代表でも結果を残した。東京五輪は開催国枠で出場権を得ていたが、アジア大会優勝により、アジア王者として自力で出場できる実力を示した。
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