ホッケー男子、カナダに逆転勝利でグループ首位通過 決勝でパキスタンと対戦/第30回アズランシャーカップ

2024.05.10 23:55 | 日本代表

 男子ホッケーの国際招待大会「第30回スルタンアズランシャーカップ」(マレーシア・イポー)は10日、大会第5日が行われ、日本代表サムライジャパン(世界ランキング16位/以下WR)はカナダ(WR19位)を3-1で下した。
 序盤から日本がゲームを支配するが、前半はスコアが動かず、0-0で折り返す。第3Qも日本が優位に試合を進めるが、カナダのロングパスからGKと1対1の状況を作られ、ヒットシュートが決まって先制を許す。しかし、この失点の直後に右サイドを藤島来葵(ALDER飯能/コクボ消毒(株))が崩し、ゴール前に入れたパスに反応した齊藤容(福井工業大学)が押し込み、同点に追いつく。1-1で迎えた最終第4Q、左サイドからオーバーラップした山田翔太(岐阜朝日/中日コプロ(株))がヒットシュートを放ち、2度目のリバウンドを田中翼(天理大学)が押し込み、逆転に成功する。さらに勢いに乗る日本は試合終了間際に松本和将(山梨学院クラブ)のパスを受けた河邉皓星(岐阜朝日/中日コプロ(株))がリバースヒットをゴール左隅に鮮やかに決めて、ダメ押し。3-1で勝利した。
 なお、この試合で山田と吉川貴史(岐阜朝日/中日コプロ(株))が通算150キャップとなった。

 日本は5戦4勝1分(勝ち点13)でグループリーグ1位通過。11日の決勝戦で2位通過のパキスタンと対戦する。

▼試合ハイライト(7分13秒/Astro ArenaのYouTubeチャンネル)

穴井善博ヘッドコーチのコメント

 まず、カナダに勝ててよかった。ゴールスコアリングに課題があったが、しっかり守って自分たちのリズムで戦えた。(大会を通じて)若手とベテランの融合が非常に大事だと思っている。若手にはアグレッシブに、怖がらずにプレーしてほしい。若手が成長して、それに負けじとベテランが頑張ることでチームの底上げにつながると思う。
 (決勝に向けて)パキスタンはスキルのある選手が多いので、まずはディフェンスに集中したい。ただ、戦い方は大きく変えるつもりはない。ペナルティーコーナーが勝敗を左右すると思うのでその対策をしっかりしたい。

記者会見でリラックスした表情を見せる穴井ヘッドコーチ

パキスタンが決勝進出を決める

 第1試合のパキスタン対ニュージーランドは1-1の引き分けとなった。パキスタンは5戦3勝2分(勝ち点11)のグループ2位で決勝進出。ニュージーランドは5戦2勝2敗1分(勝ち点7)のグループ4位で3位決定戦に進む。
 第3試合はマレーシアが韓国を1-0で下した。マレーシアは5戦3勝2敗(勝ち点9)のグループ3位でニュージーランドとの3位決定戦に臨む。韓国は5戦1勝4敗(勝ち点3)のグループ5位で、カナダとの5位決定戦に回る。

■日本の試合日程・結果(すべて日本時間)

アズランシャーカップとは

 アズランシャーカップは1983年に始まった男子ホッケーの国際招待試合。マレーシア・ペラ州の元首長(1974年~2014年)でホッケーを熱心に支援し、マレーシアホッケーの父と呼ばれたアズランシャー殿下が創設した大会。アズランシャー殿下は国際ホッケー連盟の副会長を1992年から2期務め、1997年~2014年までアジアホッケー連盟の会長を務めた。マレーシアでのワールドカップ開催(1975年と2022年)も主導した。
 アズランシャーカップは当初、隔年開催だったが、1998年以降、毎年開催になった。2020年、2021年は新型コロナの影響で大会が中止となり、2022年に3年ぶりに開催されが、2023年は年間を通じて国際大会が多く開催された影響で開催が見送られた。2年ぶりの開催となる今回が第30回。

前回、日本は4位

 日本は過去5回出場し、1987年は6チーム中6位、2016年は7チーム中7位、2017年は6チーム中6位、2019年は6チーム中5位、2022年は過去最高の4位だった。前回大会はマレーシアが優勝し、韓国が2位、パキスタンが3位だった。歴代優勝回数はオーストラリアが10回、インドが5回、パキスタンと韓国が3回、英国とドイツ、ニュージーランドが2回、マレーシアとオランダ、アルゼンチンが1回。

大会概要

大会名第30回 スルタン アズランシャーカップ(2024/イポー)
主催マレーシアホッケー連盟
開催都市マレーシア・イポー UTC+8 (日本との時差-1時間)
日程2024年5月4日(土)~5月11日(土)8日間
会場スルタン・アズランシャー・スタジアム
出場国6ヶ国/日本・ニュージーランド・韓国・マレーシア(ホスト国)・パキスタン・カナダ
試合方式1回戦総当りのリーグ戦の後、その順位に基づいた順位決定戦を実施。

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