ドイツが英国を4-1で下し、2位が確定 2026年W杯出場権を獲得/FIHプロリーグ女子2023-24(アムステルダム)

2024.06.28 6:20 | 海外

 FIH女子プロリーグは27日、オランダ・アムステルダムで1試合が行われ、ドイツ(世界ランキング3位/以下、WR*)は英国(WR6位)に4-1で勝利した。ドイツは1試合を残しているが2位が確定。2026年にオランダとベルギーで共催されるワールドカップへの出場権を獲得した。(ワールドカップ開催国のオランダとベルギーを除く、FIHプロリーグの最上位チームにワールドカップ出場権が与えられる)

*WRは6月27日試合開始時点。英国はイングランドのランキングを記載。

「German Hockey」でドイツが快勝

 序盤からドイツのペースで試合が進み、第1クオーターにドイツがペナルティーコーナー(以下、PC)を獲得するなどチャンスを作るが得点には至らない。20分、ドイツがPCを獲得。ヒットシュートを英国GKがセーブするがそのリバウンドを拾った10番Lisa Nolteがプッシュシュートを決め、先制する。23分、ドイツはスクープパスを英国DF陣後方に落とし、これを受けた23番Emma Davidsmeyerがヒットシュートを決めて2-0とリードを広げる。さらに54分、ドイツの12番Charlotte Stapenhorstがリバースヒットを英国GKの股下に撃ち抜き、追加点。残り5分で英国がGKを外してフィールドプレーヤー11人のパワープレーに出る。しかし、ドイツが前線からプレッシャーをかけ、12番Charlotteがボールを奪ってゴール前までドリブルで仕掛け、最後は混戦から4番Nike Lorenzが押し込み、4点目を決める。59分に英国がPCを獲得し、18番Giselle Ansleyがドラッグフリックシュートを決めて1点を返すが時すでに遅し。4-1でドイツが勝利した。ドイツのヘッドコーチValentin Altenburgは「前半は2-0とリードを奪えたが、試合内容は英国とイーブンでそれほどよくなかった。後半はポゼッションを高めて好機を多く作り、意図していたGerman Hockeyを実行することができた」と語った。

 ドイツは15戦11勝3敗1SO負の勝ち点34とし、9チーム中2位が確定。英国は15戦3勝9敗2SO勝1SO負の勝ち点14で7位が確定している。29日の最終日にドイツはオランダと、英国はベルギーと対戦する。

豪快なリバースヒットシュートを決めるなど攻撃陣を牽引したドイツ12番Charlotte Stapenhorst(左) 写真=FIH/ WORLDSPORTPICS/ FRANK UIJLENBROEK
4点目を決めたドイツの主将4番Nike Lorenz 写真=FIH/ WORLDSPORTPICS/ FRANK UIJLENBROEK
ボールをキープするドイツ26番Felicia Wiedermannと英国唯一のゴールを決めた18番Giselle Ansleyの競り合い 写真=FIH/ WORLDSPORTPICS/ FRANK UIJLENBROEK

FIHプロリーグとは

 FIHプロリーグ(以下、プロリーグ)は国際ホッケー連盟(FIH)主催の2019年1月からはじまった国際大会。それ以前まで開催されていたチャンピオンズトロフィー、ワールドリーグ・セミファイナル、ワールドリーグ・ファイナルに代わる大会としてスタートした。

 男女9チームが2回戦総当たりで競い合い、シーズン終了時点でのトップチームがリーグ優勝となる。2023-24大会は12月から6月にかけて行われ、優勝チームには2026年W杯(オランダとベルギーの共催)の出場権が与えられる(開催国オランダまたはベルギーが優勝した場合はそれ以外の最上位のチームに権利が与えられる)。第4回大会(2022-23年)以降、シーズン終了時の最下位チームはFIHネーションズカップ(Nations Cup)に降格し、同大会の勝者が翌年のプロリーグに昇格する仕組みとなった。

FIHプロリーグ・女子出場国と現在の順位

 オランダは2試合を残し、すでに優勝が確定している。ベルギーは残り2試合の結果により順位が変動する可能性がある。ドイツと英国は1試合を残しており、他のチームはすでに全試合を終えた。最下位のアメリカはネーションズカップへの降格が決まっている。

さくらジャパンはネーションズカップに出場、5位

 日本は男女ともにFIHプロリーグへの出場経験はなく、1つ下のカテゴリーのFIHネーションズカップに出場。

 女子さくらジャパンはネーションズカップの第1回大会(2022年12月/スペイン・バレンシア)で8チーム中3位、第2回大会(2022年6月/スペイン・テラサ)で8チーム中5位だった。第2回大会はスペインが優勝し、次回のプロリーグに昇格する。

 男子サムライジャパンは第1回大会(2022年11月~12月/南アフリカ・ポチェフストルーム)で8チーム中6位。第2回大会(2024年5月~6月/ポーランド・グニエズノ)には出場できなかった。第2回大会への出場条件は「2023年1月31日時点の、FIHプロリーグ参加国以外の世界ランキング上位7チーム」であり、同日時点のサムライジャパンの世界ランキングは19位で条件に満たなかったため。開催国ポーランドは同日時点で日本より世界ランキングが下位だったが開催国枠で出場が決まり、男子は例外的に9チームが出場した。ニュージーランドが優勝し、プロリーグへの昇格を決めている。