2024.06.28 7:30 | 海外
FIH男子プロリーグは27日、オランダ・アムステルダムで2試合が行われた。(写真=FIH/ WORLDSPORTPICS/ FRANK UIJLENBROEK)
ホームのオランダ(世界ランキング1位/以下、WR*)はドイツ(WR5位)と1-1で引き分け、シュートアウト戦は3-1で敗れた。オランダは1試合を残しているが優勝の可能性が消滅し、すでに全試合を終えたオーストラリア(WR4位)の優勝が確定した。
英国(WR2位)はベルギー(WR3位)に3-1で勝利した。
*WRは6月27日時点。英国はイングランドのランキングを記載。
第1クオーターはドイツがペナルティーコーナー(PC)を得るなどチャンスを作るが得点ならず。25分、オランダがPCを獲得。2番Jip Janssenのドラッグフリックシュートはドイツ1番騎のスティックに当たって軌道が変わり、ゴール右上段に突き刺さり、オランダが先制する。30分、ゴール前でパスを受けたドイツ22番Marco Miltkauがスイープでループシュートを狙うがオランダのGK、26番Primin Blaakが左手でセーブし、ゴールを許さない。46分、ドイツがPCを獲得。ドラッグフリックシュートのリバウンドを9番Niklas Wellenが押し込み、同点に追いつく。試合終了直前にドイツ17番Christopher RührがPCを獲得。2度アゲインが続いたが、オランダ守備陣が3本連続で粘り強く守り切り、1-1で試合終了。シュートアウト戦はドイツのGK、74番Jean-Paul Dannebergが3回阻止し、3-1でドイツが勝ち点2を得た。
オランダの主将、8番Thierry Brinkmanは「前半はオランダが優位に試合を進めることができたが、後半はもっとうまくスマートに戦えたはず。優勝の可能性がなくなってしまったのは残念だが、あと1試合残っているので今日の試合を分析して最後はもっとよい試合をしたい」と語った。好セーブを連発したオランダのGK、26番Primin Blaakは「前半はよい戦い方ができていたがもっとゴールを奪えていてもおかしくなかった。よいセーブを多くすることはできたがそれはシュートを多く打たれてしまっているということ。もっとよい陣形で守る必要があった。SOで負けたのは残念だが、オリンピックに向けてよい宿題ができたと思う。最終戦はベルギーというレベルの高いチームと試合ができる。よい試合をしてオリンピックにつなげたい」と前を向いた。
ドイツは15戦5勝5敗3SO勝2SO負の勝ち点23で暫定6位。オランダは15戦8勝2敗2SO勝3SO負の勝ち点31で2位につけている。
23日の対戦ではベルギーが3-1で勝利していたが、この試合は開始3分に英国が先制ゴール。英国がセンターライン付近でパスカットし、華麗なパスワークでサークル侵入、7番Zachary Wallaceがスイープヒットをゴール上段に突き刺した。20分、英国がPCを獲得すると13番Sam WardがドラッグフリックシュートをGKの股の間に決めて2-0とリードを広げる。22分、ベルギーがPCを獲得。16番Alexander Hendrickx がゴール右下に決めて1点を返す。58分、英国が放ったシュートをベルギーGKがセーブ。その後、ボールは審判の身体に当たり、こぼれ球に反応した31番Will CalnanがGKの頭上にボールをあげ、これを13番Sam Wardが押し込んで3点目を奪う。今回は英国が3-1でベルギーにリベンジを果たした。英国7番Zachary Wallaceは「先制点はチームとしてよい形でパスをつないで得点できた。前の試合ではベルギー相手に攻め込みながらチャンスを活かせなかったので今回はファーストチャンスを活かせてよかった。次戦はプロリーグ最後の試合にはなるがこの夏はオリンピックも控えていてまだ先は長い。これまでやってきたことをさらに磨いて、オリンピックでピークを迎えられるように準備していきたい」と意気込んだ。
英国は15戦9勝5敗1SO負の勝ち点28で9チーム中4位につけている。ベルギーは15戦6勝7敗2SO勝の勝ち点22で暫定7位。
FIHプロリーグ(以下、プロリーグ)は国際ホッケー連盟(FIH)主催の2019年1月からはじまった国際大会。それ以前まで開催されていたチャンピオンズトロフィー、ワールドリーグ・セミファイナル、ワールドリーグ・ファイナルに代わる大会としてスタートした。
男女9チームが2回戦総当たりで競い合い、シーズン終了時点でのトップチームがリーグ優勝となる。2023-24大会は12月から6月にかけて行われ、優勝チームには2026年W杯(オランダとベルギーの共催)の出場権が与えられる(開催国オランダまたはベルギーが優勝した場合はそれ以外の最上位のチームに権利が与えられる)。第4回大会(2022-23年)以降、シーズン終了時の最下位チームはFIHネーションズカップ(Nations Cup)に降格し、同大会の勝者が翌年のプロリーグに昇格する仕組みとなった。
すでに全試合を終えているオーストラリアの優勝が確定し、2026年ワールドカップの出場権を獲得した。28日に英国とドイツが、30日にオランダとベルギーがそれぞれ最終戦を迎える。他のチームはすでに全試合を終えた。最下位のアイルランドはネーションズカップへの降格が決まっている。
日本は男女ともにFIHプロリーグへの出場経験はなく、1つ下のカテゴリーのFIHネーションズカップに出場。
女子さくらジャパンはネーションズカップの第1回大会(2022年12月/スペイン・バレンシア)で8チーム中3位、第2回大会(2022年6月/スペイン・テラサ)で8チーム中5位だった。第2回大会はスペインが優勝し、次回のプロリーグに昇格する。
男子サムライジャパンは第1回大会(2022年11月~12月/南アフリカ・ポチェフストルーム)で8チーム中6位。第2回大会(2024年5月~6月/ポーランド・グニエズノ)には出場できなかった。第2回大会への出場条件は「2023年1月31日時点の、FIHプロリーグ参加国以外の世界ランキング上位7チーム」であり、同日時点のサムライジャパンの世界ランキングは19位で条件に満たなかったため。開催国ポーランドは同日時点で日本より世界ランキングが下位だったが開催国枠で出場が決まり、男子は例外的に9チームが出場した。ニュージーランドが優勝し、プロリーグへの昇格を決めている。