オランダがベルギーにリベンジ 2-1勝利/FIHプロリーグ女子2023-24(アムステルダム)

2024.06.29 15:10 | 海外

 FIH女子プロリーグは28日、オランダ・アムステルダムで1試合が行われ、オランダ(世界ランキング1位/以下、WR*)はベルギー(WR4位)に2-1で勝利した。オランダは1試合を残しているがすでに優勝を決めており、ベルギーは1試合を残して現在5位につけている。
*WRは6月28日試合開始時点。

オランダがベルギーにリベンジ

 24日の対戦ではベルギーが2-1で勝利た。会場をオレンジ色に染めた地元サポーターの声援を受け、リベンジを果たしたいオランダが序盤から試合を優位に進める。6分、オランダがペナルティーコーナー(以下、PC)を獲得。8番Yibbi Jansenがゴール左上にドラッグフリックシュートを突き刺し、先制する。27分、再びオランダがPCを獲得。8番Yibbiのドラッグフリックシュートは左ポストに当たり、こぼれ球を拾った4番Freeke Moesからパスを受けたYibbiがツータッチで強烈なヒットシュートをゴール右下に決め、リードを広げる。後半は徐々にベルギーが攻める時間が増え、42分にPCを獲得。22番Stéphanie Vanden Borreのドラッグフリックシュートが決まり、1点差に詰め寄る。その後は両者攻め合うもスコアは動かず、2-1でオランダが勝利した。

 オランダのヘッドコーチ、Paul van Assは「前回の試合で敗戦したときは優勝を決めた直後の試合だったし、リザーブのメンバーを多く起用したので気にしていない。トレーニングキャンプを始めてから約2週間で、いま成長している段階。まだコンディションが上がってきていないので、今日の試合の前半はうまくプレーできたが、後半は同じようにできなかった。ただ、このまま順調にコンディションを上げれば終盤までよいプレーを継続できるようになるだろう。オリンピックを見据えて、今日は意図的に選手のポジションを変えた。今日は攻撃できるだけ攻撃したが、次戦はピリオダイゼーションを考慮して、もっとスローテンポの試合をする予定だ」とコメント。また、オリンピックの選手選考については「スキルをもっとも重視した。フィットネスはもちろんだがスキルを第一に考えた。オランダはスキルがもっとも高い国と自負している。スピードとスキルを同時に発揮できる選手を選んだ」と語った。

 2得点をあげたYibbi Jansenは「前半はよいプレーができていた。もっと得点を取れていればなお良かった。ベルギーに追い上げられて接戦になったが最終的には勝ててよかった。前回の試合で負けたあとプレスを改善した。前回に比べて自信を持って戦えたし、攻撃的に戦えたのがよかった。(FWやMFとしてプレーしていたことについて)オリンピックを見据えてトライした。FWもMFもどちらも好きだが、MFでプレーするほうが好き。プロリーグの最終戦で対戦するドイツとの試合はいつもタフ。次の試合では新しいことにもいくつかトライして、今日より良い試合をしたい。また、パリ五輪に向けて成長し続けていきたい」と抱負を語った。

2得点でチームを勝利に導いたオランダ8番Yibbi Jansen 写真=FIH/ WORLDSPORTPICS/ FRANK UIJLENBROEK

 オランダは15戦14勝1敗の勝ち点42で優勝が決まっている。ベルギーは15戦7勝6敗2SO勝の勝ち点25で暫定5位。29日の最終日にドイツはオランダと、英国はベルギーと対戦する。

FIHプロリーグとは

 FIHプロリーグ(以下、プロリーグ)は国際ホッケー連盟(FIH)主催の2019年1月からはじまった国際大会。それ以前まで開催されていたチャンピオンズトロフィー、ワールドリーグ・セミファイナル、ワールドリーグ・ファイナルに代わる大会としてスタートした。

 男女9チームが2回戦総当たりで競い合い、シーズン終了時点でのトップチームがリーグ優勝となる。2023-24大会は12月から6月にかけて行われ、優勝チームには2026年W杯(オランダとベルギーの共催)の出場権が与えられる(開催国オランダまたはベルギーが優勝した場合はそれ以外の最上位のチームに権利が与えられる)。第4回大会(2022-23年)以降、シーズン終了時の最下位チームはFIHネーションズカップ(Nations Cup)に降格し、同大会の勝者が翌年のプロリーグに昇格する仕組みとなった。

FIHプロリーグ・女子出場国と現在の順位

 オランダは1試合を残し、すでに優勝が確定している。ベルギーは残り1試合の結果により順位が変動する可能性がある。ドイツ、英国は1試合を残しているが順位は確定。他のチームはすでに全試合を終えた。最下位のアメリカはネーションズカップへの降格が決まっている。

さくらジャパンはネーションズカップに出場、5位

 日本は男女ともにFIHプロリーグへの出場経験はなく、1つ下のカテゴリーのFIHネーションズカップに出場。

 女子さくらジャパンはネーションズカップの第1回大会(2022年12月/スペイン・バレンシア)で8チーム中3位、第2回大会(2022年6月/スペイン・テラサ)で8チーム中5位だった。第2回大会はスペインが優勝し、次回のプロリーグに昇格する。

 男子サムライジャパンは第1回大会(2022年11月~12月/南アフリカ・ポチェフストルーム)で8チーム中6位。第2回大会(2024年5月~6月/ポーランド・グニエズノ)には出場できなかった。第2回大会への出場条件は「2023年1月31日時点の、FIHプロリーグ参加国以外の世界ランキング上位7チーム」であり、同日時点のサムライジャパンの世界ランキングは19位で条件に満たなかったため。開催国ポーランドは同日時点で日本より世界ランキングが下位だったが開催国枠で出場が決まり、男子は例外的に9チームが出場した。ニュージーランドが優勝し、プロリーグへの昇格を決めている。