2018.10.05 17:30
ホッケー強豪国オランダ(世界ランキング女子1位、男子4位)とドイツ(女子5位、男子6位)の国内リーグを観戦した藤本一平氏によるコラム「越境ホッケープレイヤー欧州観戦記」。
全4部の構成で、第1部では今回の旅程の概要。ドイツリーグの選手間の競争の激しさなどを掲載。
第2部では日本とオランダ、ドイツ、フランスを比べて感じたこと「パフォーマンス面」について掲載した。
第3部では日本とオランダ、ドイツ、フランスを比べて感じたこと「環境面」について。
藤本氏による日本との比較が大変興味深い。
藤本一平Ippei Fujimoto
1989年3月27日、山梨県生まれ。天理高校では同級生の田中健太(日本代表)に誘われホッケー部に入部。早稲田大学に進学し、関東春季リーグ優勝や大学王座準優勝に貢献。4年生では主将を務める。大学卒業後は名古屋フラーテルホッケーチーム(現ベルテクスホッケーチーム)に所属し、社会人選手権4度の優勝や高円宮牌男子ホッケー日本リーグ3度の優勝を勝ち取る。大学在学時にU21日本代表に選出され、ジュニアワールドカップに出場。シニア代表選手としてアジア大会やワールドリーグセミファイナルに出場した。CAP数59。2017年シーズンをもって現役選手を引退。情報発信にも長け、ホッケーファンの間では長年、藤本氏のブログが愛読されている。
日本とオランダ、ドイツ、フランスを比べて感じたことについて、前回は「パフォーマンス面」について書きましたが、今回は「環境面」について述べたいと思います。
ホッケーに限った話ではありませんが、ヨーロッパのスポーツは基本的に「クラブスポーツ」という組織で運営されていることが多いようです。他方、日本は大学生までは学校単位でチームが構成されることが多く、また社会人チームは企業単位でチームが構成されることが多い傾向にあります。現在の日本のホッケー界の社会人チームは、女子の4強は企業チームであり、男子は全体的にクラブチーム(所属しているのは社会人選手が中心)の形が運営されていることが多いですね。
どの形態でチームを組織するのが良いかについては一概に言えませんが、今回は「クラブの良さ」を感じる場面も多くあったのでそこに触れていきたいと思います。
「クラブの良さ」ということについて、主に以下の2点を中心に書いてみたいと思います。
・クラブのファミリー感(それを醸成するクラブハウスという「ハコ」)
・一貫指導ができ、競争も生まれやすい組織体系