2018.10.05 17:30
クラブの中には年齢別、またパフォーマンスレベル別などでチームがカテゴリー分けされています。(ヒロキいわくフランスのチームメートの中には、「パフォーマンスレベルはクラブのトップチーム(1軍)でプレーできる実力を持っている選手でも、仕事の忙しさなどによってはトップチームではなく、セカンドチームでのプレーを選択する選手もいる」そうです)
小さいこどもからお年寄りまで、同じチーム名、同じユニフォームを着て試合をする。子どもたちと同じグラウンドでトップチームも練習しているし、トップチームの選手が子どもたちのコーチングしていることも多いです。(アッシュもコーチングを生業としているそう)
レベルの高い選手の練習を間近で観れる、直接指導も受けられる、となると若い選手の成長はそうでない場合に比べて早まるでしょうし、クラブ全体で共通認識を蓄積できるので一貫した指導を行いやすい環境が整っていると言えるでしょう。
日本リーグの中には、学生と社会人が混合したチームも稀にありますが、そういう場合を除いて、日本のホッケー界は基本的に学校の部内など近い年齢層での競争に留まることが多い環境です。
中学生でいくら上手くても、高校生のカテゴリーの試合に出ることはないし、高校生がいくら上手くても大学のカテゴリーの試合に出ることはありません。しかし、クラブであれば、実力次第で飛び級が可能なシステムです。(特別な例ではありますが、前述のサイモン・チャイルド選手は18歳のときにオランダ・ロッテルダムからオファーがあり、ニュージーランドからオランダに渡ってロッテルダムの一員として5シーズンプレーしました)
実際に、女子ホッケー日本代表「さくらジャパン」の及川選手の所属するOranje Roodには18歳くらいのかなり若い選手もトップチームでプレーしているようですし、ケンタのチームにも学生は何人かトップチームにいるそうです。
上手くなろうと思ったら、自分より上手い選手と一緒にトレーニングすることがもっとも有効かつシンプルな方法だと思いますが、クラブはこれを実現しやすい組織になっているな、と感じた次第です。
ただ、これに近いことを実践している地域は日本でも多くあると思います。ショウゴは伊吹山中学校出身なのですが(ケンタと地元が同じです)、当時、滋賀クラブの社会人選手たちと対戦していたことがチームの強化に非常に役立っていたと述懐していました。日本リーグ出場チーム(栃木・飯能・福井・小矢部・島根など)は中高生と社会人チームが同じピッチで練習していることが多く、トレーニングマッチを行う機会は多くあると聞いています。
ただ、学校単位の大会が主流であり続ける限り、公式戦において若い選手が飛び級でトップチームでプレーすることは稀だと思うし、このあたりはやはりヨーロッパのクラブ型の組織の方が選手の育成スピードは早めることができそうな気がしました。
まとめると、多様な年齢層が集まる「クラブ」というは組織は、一貫指導がしやすく、競争原理も働きやすいため、チームの強化と選手の育成にとってな有効な側面があるのではないか、と感じました。
◆次回、第4部日本人はクラブにどう受け入れられているか~サポーターや監督のコメント~へ続く。