【試合レポート】サムライジャパン、山﨑・和久利がゴールを決めるもニュージーランド代表に3-4で敗れる/東京2020テストイベント「READY STEADY TOKYO HOCKEY」

2019.08.17 22:21 | 日本代表

ホッケー男子日本代表サムライジャパン(世界ランキング16位)は8月17日(土)、大井ホッケー競技場のサウスピッチで行われた東京2020オリンピックテストイベント「READY STEADY TOKYO HOCKEY」の初戦でニュージーランド代表(同8位)と対戦。山﨑が2点、和久利が1点を決めるも4失点し、3-4で敗れた。
(0-0/0-2/3-0/0-2)

試合後に健闘をたたえあう両チーム。写真/中村雄紀夫

試合後に健闘をたたえあう両チーム。写真/中村雄紀夫

【得点者】
17分 FG SMITH Jacob
19分 PS McALEESE Shea
34分 FG 山﨑 晃嗣(滋賀クラブ)
39分 FG 和久利 裕貴(福井クラブ)
41分 FG 山﨑 晃嗣(滋賀クラブ)
57分 PC RUSSELL Kane
60分 FG JENNESS Stephen

サムライジャパンの出場メンバー

サムライジャパンは下記の16名が出場した。
(先発選手は「×」マーク。途中交代で出場した選手は最初にピッチに立った時間を表記)

No. Po. 名前 先発 チーム 所属
1FW山﨑 晃嗣5滋賀クラブ(株)SCREENホールディングス
4MF三谷 元騎X福井クラブ越前町役場
5MF田中 世蓮X岐阜朝日クラブ(公社)ぎふ瑞穂S ※
6MF落合 大将5LIEBE栃木北関東綜合警備保障 (株)
7FW村田 和麻X小矢部RED OXNPO法人おやべスポーツクラブ
9FW田中 健太XHGC HC
12MF永井 祐真5岐阜朝日クラブ
13DF山下 学X小矢部RED OX(株)とやまアイホーム
17FW福田 健太郎X岐阜朝日クラブ(公社)ぎふ瑞穂S ※
20DF大橋 雅貴XLIEBE栃木北関東綜合警備保障 (株)
21FW和久利 裕貴X福井クラブ福井県庁
25DF山田 翔太X岐阜朝日クラブ(公社)ぎふ瑞穂S ※
29DF膳棚 大剛X天理大学ベアーズゴールド (株)
30GK吉川 貴史X岐阜朝日クラブ(公社)ぎふ瑞穂S ※
31FW渡辺 晃大5福井クラブ越前町役場
32DF霧下 義貴4天理大学天理大学

※(公社)ぎふ瑞穂S =(公社)ぎふ瑞穂スポーツガーデン

前半はニュージーランドペース

第1Qはニュージーランドのセンターパスで試合開始。立ち上がりから日本の動きはよく、田中(健)の右サイドをえぐるドリブルや山下のヒットパスでサークル侵入するが、シュートには至らない。対するニュージーランドも8分にリバースヒットのチャンスを作るなど反撃するが、ゴールを奪えず、0-0で第1Qを終える。

激しい競り合い。写真/中村雄紀夫

激しい競り合い。写真/中村雄紀夫

第2Qは序盤からニュージーランドが主導権を握り、17分に右エンドライン際を崩して最後はSMITHが押し込み、先制点をあげる。さらに19分、ニュージーランドのペナルティーコーナーからのリバウンドシーンで日本が反則を侵し、ペナルティーストロークを与えてしまう。これをベテランのMcALEESEが落ち着いて決めて0-2とリードを広げる。日本は福田がシュートを放つなど好機を作るが得点には至らず、そのまま第2Qは0-2で折り返す。

後半は点の取り合いに

第3Qに入り、サムライジャパンの反撃の狼煙があがる。34分に田中(健)から山田、山田から華麗なスクープパスが山﨑に渡り、カウンターアタック。山﨑は右エンドライン際を巧みにドリブルで打開し、そのままGKまでかわして待望のゴールを決める。

パスでチャンスを演出した山田。写真/中村雄紀夫

パスでチャンスを演出した山田。写真/中村雄紀夫

1点取って硬さの取れた日本はさらに39分、田中(健)のリバースパスを和久利が飛び込みながらダイレクトシュートで押し込み、同点。さらに41分、村田のパスをうまくレシーブした山﨑がヒットシュートをゴール左に見事に決め、ついに逆転。3-2で第3Qを終える。

喜び合うサムライジャパン。写真/中村雄紀夫

喜び合うサムライジャパン。写真/中村雄紀夫

第4Qに入り、攻撃の手をゆるめない日本は田中(健)のスクープパスに対して村田がバスケットボールのアリウープのようなシュートを放つがこれは枠の外に外れる。日本ペースで進むかと思われたがグリーンカードで2分間の退場者を出した後に流れが変わる。ニュージーランドがパワープレーに出た直後、57分にペナルティーコーナーでRUSSELLがドラッグフリックシュートを決め同点。さらに試合終了直前、JENNESSに逆転ゴールを許し、3-4。一度奪ったリードを守り切ることができず、悔しい逆転負けを喫した。

ニュージーランドに得点を許す。写真/中村雄紀夫

ニュージーランドに得点を許す。写真/中村雄紀夫

試合の振り返り

19時試合開始とはいえ、暑さの厳しい熱帯夜の中での一戦。

熱帯夜の中の一戦。写真/中村雄紀夫

熱帯夜の中の一戦。写真/中村雄紀夫

日本は前半リードを許したが、後半に入って足が止まってきたニュージーランドに対してフルプレスでプレッシャーをかけ続け、3点をもぎ取った。いずれもパスワークと個の高い技術の融合で奪った質の高いゴール。2点ビハインドからの逆転劇でアイクマンコーチの掲げる「諦めないスピリット」を体現した点は評価できるだろう。

しかし、第4Qに入ってからの戦い方、とくに試合終了残り5分間のゲームマネジメントに課題が出た。相手に崩されたというよりはグリーンカードによる数的不利を作り、自ら崩れてチャンスを与えてしまった形だ。試合全体を通じて世界ランキング8位と格上のニュージーランド相手に互角に戦えていただけにもったいない敗戦だった。次戦以降、ゲームマネジメントを改善し、勝利につなげてもらいたい。

試合後のコメント

■得点を決めた山﨑

「自分で結果を出すことは大事なことだが、チームが勝利できなかったことがとても悔しい。テストイベントに向けて合宿をしてきて、東京オリンピックと同じ舞台で優勝するために日々準備を積み重ねてきた。勝てなかったことが悔しい。明日のマレーシア戦ではまずは1勝して優勝するチャンスを作っていきたい」

日本対ニュージーランド。写真/中村雄紀夫

相手に背後からプレッシャーをかける山﨑。写真/中村雄紀夫

■多くのチャンスを演出した田中(健)

「(MFとしてプレーしていることについて)アイクマンコーチからの提案でMFでプレーしている。自分の幅を広げていけると思って挑戦している。

日本国内でこれだけ多くの観客の前でプレーできることはなかなかないので、独特の雰囲気を経験できたことはよかった。ピッチコンディションには慣れてきているが、新しい芝なのでイレギュラーもあり、ミスが多かった。

第2Qはロングパスが多かったので第3Qはショートパスを増やして組み立てていこうと話をした。

(第3Qでリードした後の第4Qの戦い方について)カードをもらわないように気をつけようと言って戦っていたが、カードが出て数的不利な状況になったことはプランと違う形になってしまった。明日は(気持ちを)切り替えて戦う」

■球際の強さを見せた山下

「全体を通じて自分たちの攻撃やプレスはできていてよかったが、最後の数秒で甘さを見せるとゴールを決められてしまう。勉強になった。

フルプレスがはまっていたからそれをベースで相手にプレッシャーをかけ続けて自分たちがやり続けようと言って戦っていた。

(第4Qについて)カードが出たことは課題。オリンピックに向けて改善して準備していきたい。

日本の方々が多く応援してくれる環境は新鮮。選手にとって力になる。(席数の多い)ノースピッチでの戦いも楽しみ。明日は勝てるようにがんばりたい」

粘り強いDFを見せた山下。写真/中村雄紀夫

粘り強いDFを見せた山下。写真/中村雄紀夫

■アイクマンコーチ

「選手には前線からプレスをかけ続けることを要求した。フィジカル的に厳しい試合にはなるが、プレッシャーを与え続けることで相手のミスを誘い、また我々の強みであるカウンターアタックを仕掛けることを目指した。だが、フィジカル的に厳しい状況になり、我々の経験のある選手の判断ミスにより失点をしてしまった。
ミスがあった試合で不満は残るが、相手チームからは多くのことを学ぶことができた」

その他の試合結果

インド 6-0 マレーシア


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