2019.08.18 22:58 | 日本代表
ホッケー男子日本代表サムライジャパン(世界ランキング16位)は8月18日(日)、大井ホッケー競技場のノースピッチで行われた東京2020オリンピックテストイベント「READY STEADY TOKYO HOCKEY」の第2戦でマレーシア代表(同12位)と対戦。福田健太郎、村田和麻、渡辺晃大が得点し、3-1で今大会初勝利をあげた。
(0-0/1-0/0-1/2-0)
【得点者】
26分 FG 福田健太郎(岐阜朝日クラブ)
37分 PC NOOR Nabil
48分 FG 村田和麻(小矢部RED OX)
49分 FG 渡辺晃大(福井クラブ)
サムライジャパンは下記の16名が出場した。
(先発選手は「×」マーク。途中交代で出場した選手は最初にピッチに立った時間を表記)
No. | Po. | 名前 | 先発 | チーム | 所属 |
---|---|---|---|---|---|
1 | FW | 山﨑 晃嗣 | 5 | 滋賀クラブ | (株)SCREENホールディングス |
4 | MF | 三谷 元騎 | X | 福井クラブ | 越前町役場 |
5 | MF | 田中 世蓮 | X | 岐阜朝日クラブ | (公社)ぎふ瑞穂S ※ |
6 | MF | 落合 大将 | 6 | LIEBE栃木 | 北関東綜合警備保障 (株) |
7 | FW | 村田 和麻 | X | 小矢部RED OX | NPO法人おやべスポーツクラブ |
9 | FW | 田中 健太 | X | HGC HC | |
12 | MF | 永井 祐真 | 5 | 岐阜朝日クラブ | |
13 | DF | 山下 学 | X | 小矢部RED OX | (株)とやまアイホーム |
17 | FW | 福田 健太郎 | X | 岐阜朝日クラブ | (公社)ぎふ瑞穂S ※ |
20 | DF | 大橋 雅貴 | X | LIEBE栃木 | 北関東綜合警備保障 (株) |
21 | FW | 和久利 裕貴 | X | 福井クラブ | 福井県庁 |
25 | DF | 山田 翔太 | X | 岐阜朝日クラブ | (公社)ぎふ瑞穂S ※ |
29 | DF | 膳棚 大剛 | X | 天理大学ベアーズ | ゴールド (株) |
30 | GK | 吉川 貴史 | X | 岐阜朝日クラブ | (公社)ぎふ瑞穂S ※ |
31 | FW | 渡辺 晃大 | 6 | 福井クラブ | 越前町役場 |
32 | DF | 霧下 義貴 | 4 | 天理大学 | 天理大学 |
※(公社)ぎふ瑞穂S =(公社)ぎふ瑞穂スポーツガーデン
第1Q、立ち上がりから日本はフルプレスでマレーシアに激しいプレッシャーをかけ、積極的にボールを奪う。序盤に田中健太、渡辺晃大が左サイドをドリブルで切り込みサークル侵入するがシュートには至らない。その後も、渡辺晃大、和久利裕貴、田中世蓮がシュートを打つがゴールラインを割ることができず、0-0で第1Qを終える。
第2Qに入ったあとも日本はペースを落とさず前線からプレスをかけ続ける。マレーシアにイエローカードが出た直後の26分、左サイドで福田健太郎が振り向きざまにシュートを決め、待望の先制点をあげる。その後も攻め続け、27分、和久利のリバースシュートが相手DFの足に当たり、ペナルティーコーナー(PC)を取得。しかし、山田翔太のドラッグフリックシュートはゴール左下を外れ、その後も両者得点はなく、1-0と日本のリードで前半を折り返す。
第3Qはマレーシアにペースを握られ、序盤に2度のPCを与えてしまう。このピンチは乗り切るが36分に日本にイエローカードが出た直後、右サイドを崩され、最後はベテランNOOR Nabilにリバーススイープを押し込まれ同点とされる。
その後、日本は田中(世)のパスを村田和麻がダイレクトシュート、44分にはPCから山田がドラッグフリックシュートを放つがいずれもGKにセーブされ、得点ならず1-1で第3Qを終える。
勝負の第4Q。息を吹き返した日本は48分、福田が勢いに乗ったドリブル突破から村田につなぎ、村田がサークル右側からヒットシュートを決め、2-1とリードする。さらに49分、左サイドを崩した日本は永井祐真のパスを渡辺が押し込んで3-1とリードを広げる。57分にはマレーシアが強烈なシュートを放つが、GK吉川貴史がビッグセーブで防ぎ、3-1で勝利を手にした。
2018年のアジア競技大会決勝戦の相手だったマレーシアは世界ランキング12位と格上だが、今大会前にヨーロッパ遠征を行っていた関係もあり、主力の数名は今大会に召集されていない。日本としては勝たなくてはいけないゲームだったが、しっかりとその責務を果たした形だ。
日本は昨日のニュージーランド戦に続き、積極的に前線からプレスをかけ、試合を優位に進めた。戦い方自体は悪くなかったが、合計3枚のカードで退場者を出したことは改善が必要となりそうだ。
先制点をあげたこと、また同点に追いつかれた後も最終クォーターに2点取り、その後も無失点で切り抜けたことは試合終盤に逆転を喫したニュージーランド戦の経験が活きたと言えるだろう。
今日の試合ではピッチに足を滑らせ選手が転倒するシーンが見受けられた。大会を進める中でピッチ環境への適応力も試されることになりそうだ。
■先制点で日本に勢いをもたらした福田健太郎
「(先制点について)あの形は代表合宿でも練習している形だったので、それがこういった場面でできて嬉しく思っています。ゲーム全体は、チャンスは多くあったんですけどそれをなかなか決めきれず、苦しい時間帯も続いたんですが、最後の第4クォーターでは自分たちがやりたい形ができたのでそれが今日の勝利につながったと思います。コーチングであったりとかスペースを作ったりして簡単なパスをつないでチームとして得点できたかなと思います。
インド戦はもちろんタフな試合になると思うので、その中でチーム一丸となって全員守備全員攻撃でインドに戦っていきたい。 自分のプレーの強みである前線から裏に抜け出すことやスピードに乗ったドリブルを活かしてフォワードとして得点に貢献したいです」
■決勝ゴールをあげた村田和麻
「(シュートを打ったあと汗で手が滑り)スティックが飛んで行ってしまったが決めることができてよかったです。シギさん(アイクマンコーチ)からもゴールのニアポストではなくファーポストに打てと言われていて、それを実践できてよかったです。
(試合中スリップしていたことについて)サウスピッチよりノースピッチの方が新しい芝なので滑りやすい部分はあると感じました」
■守備でチームに貢献した大橋雅貴
「第1Qは守備の面でバタバタした時間があったので第2Qに入る前に山下選手と話をして修正しました。
(プレスについて)フルプレスをかけてフリーマンは高い位置でプレーするようにしています。広いスペースができてしまうときもありますが、いま練習している前ポジションを意識してインターセプトを狙ってプレーしています。
運動量が必要なプレス戦術ですけど合宿をしてトレーニングを積んでいますし、今日は夜の試合だったこともあって走れていたと思います」
■抜群の反射神経で決定機を阻止したゴールキーパー吉川貴史
「失点の1点はもったいなかったなと。無失点で勝つべきだった。昨日の試合よりはやっぱり応援の声などもあって指示が通りにくかった。もっとコーチング(指示)を前に前につなげていかないといけないかなって。日本の得点は良かったと思いますし、最後まで走りぬいたことが勝利に繋がったと思います。
(インド戦に向けて)相手はアグレッシブに攻めてくるので、マーキングやインターセプトのコーチングをしっかりしていきたいです。インドのペナルティーコーナーは脅威なので、ボールに集中してセービングして勝ちにつなげられるようにしたいです」
■「とても嬉しい」シギ・アイクマンヘッドコーチ
「今日の勝利はとても嬉しく思っています。昨日も今日もいい試合だと思ったけれど、今日は絶対に勝ちたかったのでアグレッシブに攻撃的な試合運びでした。
若い選手も含め、選手全員が準備をできていて得点に貢献できると思っています。新しく入った若い選手も来年のオリンピックに向けてしっかり準備ができていて、全員が試合で得点に貢献できるようなチームになっています。
私はチーム全体で育てていて、一人が飛び抜けるとチームの中で競争になってしまうので、私としてはチーム全体として強くなってほしい。チームが大事。チームのためにプレーする、自分を犠牲にして日本のためにというのが大和魂でしょう?」
ニュージーランド 2-1 インド
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