2019.08.21 23:00 | 日本代表
立ち上がりから両チームとも気持ちの入った激しいプレーを見せ、観客席からは歓声とため息が何度も響くような見応えのある試合を展開。前半はインドに先制点を許したが、その後すぐの時間帯に清水がゴールを奪い返したことは評価でき、プレッシャーのかかった舞台でも高いパフォーマンスを発揮した。両チームの白熱した戦いにつられるように観客からの声援も大きくなり、前半を終えた際は大きな拍手が送られた。
勝利に向けて追加点が期待された後半だったが、インドの動きがよく、また得点シーンのPCでは日本の裏をかいてタッチシュートでゴールを決めるなど、戦術もうまくはまっていた。日本のアンソニーコーチが「インドの1対1のディフェンスが良かった」と述べたとおり、守備の面でも粘り強いDFで日本の攻めを凌ぎ続け、後半は日本に対してシュートチャンスをなかなか作らせなかった。日本は前半に比べると後半はやや動きのキレが衰え、球際でインドに競り負けたり、スクープも含めてパスが正確ではなかったりと、ミスが目に付くようになった。
実力的には決して勝てない相手ではないが、決めるべきときに決める力については今大会はインドに軍配が上がったと言えるだろう。日本は今大会4試合を戦って6得点をあげたがその内訳はすべてフィールドゴール。PCからの得点がゼロだったことも今後の課題の一つになりそうだ。
大井ホッケー競技場での初の国際大会は2位という結果となり、優勝を目指していたさくらジャパンにとっては納得のいかない結果だったはずだが、彼女たちの戦う姿勢は初めてホッケーを観戦した人を含めて、多くの観客たちを魅了したように感じた決勝戦でもあった。来年の東京オリンピックに向けてさらなる強化を期待したい。
■アンソニー・ファリーヘッドコーチ
「(インドが上回っていた点はなにか)1対1のディフェンスが上回っていたし、ボールポゼッションのコントロールも相手の方ができていた。インドは数少ないペナルティーコーナーでのチャンスから確実に得点を決めていた。
(テストマッチを終えての課題は)今大会では様々なフォーメーションを試しながら、状況判断力を強化することを目標としていた。ディフェンス面ではよく頑張っていたし、ストライカーの動きもよくなってきている。優勝はできなかったが、ポジティブに受け止めている。
(清水の得点について)あのような難しい場面で得点を決めることは簡単ではない。感動的だ。ボールを浮かした3Dドリブルが得意で自由自在にドリブルできる。この2、3カ月は空中をうまく使った得点が多く、チャンスを常に狙っているような印象をもっている」
■チームキャプテンの真野
「(いまの気持ちは)結果を出せなかったことはとても悔しい。私たちの目標は東京オリンピックで金メダルをとることなので、切り替えてレベルアップしていきたい。
(今日の課題は)中盤でのボールポゼッションを高めることができなかった。プレッシャーを受けている状態でも前を向く技術力を高めていきたい。
(どのようなキャプテンになりたいか)チームにバランスをもたらすキャプテンでありたいと思う」
■得点を決めた清水
「(今大会を振り返って)東京オリンピックと同じピッチでプレーできる大会だったので、自分たちの力を試す貴重な機会だった。納得のいくプレーができなかったことが反省点。1年後は私たちが目指している優勝で終えることができたらよいと思う。
(今日の課題は)イージーミスが目立った。ペナルティーコーナーの決定率も上げていかなければならないと思う」
■フレッシュなパワーで大会を盛り上げた現役大学生、尾本桜子
「2位ですごい悔しいです。めっちゃ悔しいです。第2Q、第3Qの動きがあまり良くなかった。(今大会を通した自己採点は)うーん、50点くらい。
最初の2戦が緊張で固くなってしまった。重圧感に負けてしまったと思う。このピッチに立たせてもらうという嬉しさもありました。
オリンピックまではゲームメイク力を上げて他のチームメイトから信用してもらえるよう頑張っていきたいです」
■キレのあるドリブルを見せた石橋唯今
「(2位という結果について)実力的にはしょうがなかったというか、やっぱりインドとの違いを見せつけられてしまったかなと思います。
(今大会を通じた自己評価は)60点くらいですかね。たとえばターンオーバーしたときに自分で切り込んでいくのか、パスにシフトするのか、と考えたときに監督はパスにシフトしろと言っている。自分の強み(ドリブル)を活かすのか、チームの戦術を優先するのかを模索中です。
(今後の課題は)前に行く力が欲しいですね。もっとアグレッシブなMFになりたいです」