2020.03.06 10:50 | 海外
日本で、そして世界で新型コロナウイルスの影響が広がり、スポーツ界でも大会の延期や中止が発表される3月初旬。遠く離れた異国の地で、スティック1本で屈強な海外勢としのぎを削るホッケー日本代表FW田中健太のもとにもその影響は及んでいた。
「普段はクラブの仲間にあったときは握手したり、ハグしたりするんですけど、コロナウイルスの影響もあって、クラブの方針でそういう接触を減らすようになったんです。握手の代わりに肘でタッチをしたりしています」
男子は世界ランキング3位、女子は1位のホッケー強豪国オランダ。その1部リーグでプロ選手として活躍する田中健太(所属HGC)は現地の状況をそう教えてくれた。
「今日は天気がいいからこっちのほうがいいかな」
ハーグ郊外のワッセナーにある寮からテレビ電話での取材に応じてくれた田中。わざわざきれいな景色がバックに映るように場所を移動し、リーグ後半戦に向けた現在の心境を聞かせてくれた。
2018年、30歳にして和歌山県庁を辞めてプロホッケー選手になる決断を下し、オランダに渡った田中。シーズン1年目、慣れない海外生活に苦労を重ねながらもチーム内でレギュラーポジションを獲得し、世界最高峰の呼び声高いオランダリーグで3位(12チーム中)という結果を残した。日本人2人目となる欧州トップクラブが出場するユーロホッケーリーグでのプレーも経験した。
オランダリーグの開幕は秋。2019年9月から2年目のシーズンを迎えた田中は12月までのリーグ前半戦13試合で7得点(得点ランキング13位)という活躍を見せた。
12月にリーグは一旦ウィンターブレイクに入り、その後、田中は日本に一時帰国。帰国中は「岐阜や愛媛での男子ホッケー日本代表サムライジャパンの強化合宿に参加したり、プライベートでは国内旅行を楽しんだり」するなど充実した時間を過ごしたようだ。