2020.10.06 21:10 | 海外
2回目の渡航挑戦は11日に決まった。
しかし、事態はなかなか好転しない。
11日の渡航実現に向けて「いろんな人が動いてくれている」と山下からメッセージが届いたが、その後も準備が整わず、結局11日の渡航も許可が下りなかったのだ。
山下の国際大会出場試合数は180を超える。これまで何度も繰り返してきた海外遠征。現地では日本との文化や環境の違い、食事、気候の面などさまざまな苦労があっただろうが、渡航自体にこれほどまで苦労した経験はないだろう。
今回の海外挑戦は水の泡となってしまうのか―。
そのような不安もよぎる中、14日。山下から連絡が入った。
「向こう(ドイツ)のスタッフが行けると言っている。またPCR検査を受けて、うまくいけば日曜日(16日)に行けるかな」
希望の持てるメッセージだ。
と同時に「もう吐きそう。プレッシャーで」という本音も。
いざ、3度目の正直。
16日。日本時間21時55分、成田発フランクフルト行き。この便に搭乗できるか。
筆者は空港に行けなかったが、手続きのため昼過ぎに成田に到着した山下から夕方頃、連絡が入る。
18時30分。
「まだカウンター開くのを待っている」
今回はどうだろうか。
筆者が「渡航後、現地に着いたら数日隔離なのか」と聞くと
「強制隔離はないそう。ドイツに着いたらまたPCRは受ける」との返答。
20時51分。山下からメッセージが入る。
「行けた」と一言。
「よかった!」
そして、21時55分。サムライの主将を乗せた便が飛び立った。
アブダビでのトランジットを経て、無事、ドイツに降り立った山下。現地到着後はクラブのアパートメントに入居する前にいきなりオランダツアーという生活が待っていた。
◆第3回に続く
(藤本一平)
好きなお寿司のネタは「えんがわ」。オーストラリア・メルボルンのクラブでプレーしていた際はチームメイトやサポーターたちから「ヤマ」の愛称で親しまれていた。
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