【ホッケー女子W杯2022観戦記No.3】ホッケー場が13面 オランダ会場「Wagener Hockey Stadium」

2022.09.05 21:30 | 藤本一平コラム

 2022年7月1日~17日までスペインとオランダで共催されたホッケー女子ワールドカップ(FIH Hockey Women's World Cup 2022)を視察してきました。

 今まで一度もワールドカップ(以下、W杯)を現地観戦したことがなく、昨年は東京2020オリンピック(以下、東京五輪)も観戦できなかったので、今回こそは、という想いで行ってきました。2019年10月にバルセロナで行われたEuro Hockey League(EHL)に出場した男子代表サムライジャパンの田中健太選手の応援に行って以来、2年9ヶ月ぶりの海外渡航でした。

 2030年W杯を日本に誘致しようという動きがあるなかで、世界トップのプレーはもちろん、会場の雰囲気や運営方法、盛り上げ方などを視察したいという想いもありました。現地に行って感じたこと、気付いたことなどを綴っていきたいと思います。テンポよく読んでいただければと思い、ここから先の文体は敬体(です・ます調)ではなく、常体(だ・である調)を使用します。

藤本一平Ippei Fujimoto

1989年3月27日、山梨県都留市生まれ。天理高校では同級生の田中健太(日本代表)に誘われホッケー部に入部。3年時にインターハイ準優勝。早稲田大学に進学し、関東春季リーグ優勝や大学王座準優勝に貢献。社会人では名古屋フラーテルホッケーチームに所属し、合計10回の日本一を経験。(計80試合37ゴール)日本代表選手として2014年アジア競技大会(韓国・仁川)、2015年ワールドリーグ・セミファイナル(アルゼンチン・ブエノスアイレス/リオ五輪予選大会)などに出場した。CAP数59。2017年シーズンに選手を引退し、現在はNPO法人マイホッケープラスの一員として指導者、解説者、記者などを務め、ホッケー普及活動に取り組んでいる。早稲田大学男子ホッケー部コーチ。

会場について

 No.3となる今回の記事はオランダ会場について綴っていきたい。写真や動画を中心に紹介していく。

▼No.1の記事はこちら

▼No.2の記事はこちら

旅程

 大会は7月1日~17日に開催され、私は以下のとおり、大会の後半を視察した。

オランダ・アムステルフェーン

 オランダ会場では赤枠で囲んだ4試合を観戦。

大会スケジュール(画像クリックで拡大)

▼オランダ会場の地図

▼スキポール空港から会場までのルート(車で約15分)

 地図を見てお気づきになった方もいると思うが、このエリアには多くのホッケー場がある。以下の3つのホッケークラブが隣接している。

基本的に①~⑤はアムステルダムH&BC、⑥~⑨はピノケ、⑩~⑬はハーレーがホームピッチとして使用しているようだ

 W杯が開催されたWagener Stadiumは地図中①のピッチ。Wikipediaによると、名前の由来はアムステルダムH&BCで名誉会長を務め、スタジアム建設の中心人物だった故Joop Wagener氏(1881–1945)の名前からきているそう。

▼Wagener Stadiumの3Dツアー(4分20秒)

会場入口付近~入場ゲート通過後まで

会場入り口に向かう道路沿いにはカラフルな幟が並んでいた
Road Sign
Sign Board
入り口には大きいゲートが
ゲートとSign Board
入場ゲートのテント内。左から女子オランダ代表の集合写真、会場図、アクレディテーションデスク
貨物運送企業のDHLはホッケー、サッカー、バレーボール、ハンドボールの女子オランダ代表を包括的にスポンサードしているそう
入場ゲート
チケット読み取り機
チケット読み取り機
読み取りの様子
入場ゲート通過後の正面の景色。VOLVO車の展示
入場ゲート通過後
VOLVO
ホッケー用品ブランド「OSAKA」のショップ
大会オフィシャルグッズのショップ
コーヒーショップも
会場内のSign
消毒液(マスクは必須ではなく、ほとんどの人がしていなかった)

オランダ代表グッズ

オランダ代表グッズのショップ
オランダ代表のスター選手たち
チリ代表のサポーターがオランダ代表グッズを購入中
豊富な商品ラインナップ
2022年7月12日のレートは1ユーロ約142円
女子のユニフォーム(59.95ユーロ=約8,500円)
男子のユニフォーム
子ども用の小さいサイズも
おみやげ用に購入

スタジアム周辺

アムステルダムH&BCの標札
メインスタンド裏の通路
昼頃はまだ空いていた。右手は仮設トイレ
19:30からのオランダの試合が近づくにつれて混雑
オランダ協会のマスコット「Stockey
メインスタンドからの景色

ミニホッケーコート

四方が囲まれたミニホッケーコート

▼【動画】ミニホッケーコートの様子(22秒)

年齢、性別の制限なくホッケーを楽しむ

Hockey Skill Park

Stadium(地図①)の西側ピッチに設置されたHockey Skill Park(地図中②)
Hockey Skill Park
主にドリブルスキルを使って1対1で対戦するための囲い
空気の入ったバルーンで作られたコース
障害物を避けながらドリブルで進む
ゴール
次のコースへ
空気を抜いたあと

▼【動画】Hockey Skill Parkの様子(22秒)

▼【動画】Skill Parkのさらに西側のピッチではUmpire Clinicが実施されていた(9秒)

メディアセンター

メディアセンターはHockey Skill Park(地図中②)の北側にあるアムステルダムH&BCのクラブハウスに設置
クラブハウスの1階にはアムステルダムH&BCの写真やトロフィー
メディアセンターは2階
青いポロシャツを着ているのがメディア担当のスタッフ
メディア向けの食事が用意されていた
スペイン会場よりオランダ会場の方がレパートリーが豊富だった

▼【動画】メディアセンターの様子(20秒)

スポンサー(パートナー)

ミックスゾーンのバックボードに並ぶスポンサーロゴ
FIH(国際ホッケー連盟)のオフィシャルパートナー一覧
オランダホッケー協会のオフィシャルパートナー一覧

ミックスゾーン

試合後の選手を待つメディア関係者と運営スタッフ
個別インタビューエリア
ミックスゾーンに移動する選手と出待ちをするファンたち
インタビュー
ファンサービスするオランダのスター選手エヴァ(Eva de Goede)

スタジアム内

メインスタンド・プレス席から。準々決勝オランダ対ベルギーは約9,000席がほぼ満席
バックスタンド西側からのパノラマ写真
バックスタンド東側から
東側ゴール裏も満席
メインスタンドのVIPスペース
バックスタンド上に設置されたビデオタワー(放送用)
スポンサー看板(ピッチサイドはアナログ、ゴール裏はデジタルサイネージ)
得点後はゴール裏から火花が
オランダサポーター
オランダサポーターは子どもたちもオレンジ色の服を着用
ビデオアンパイアルームからの眺め

▼【動画】ビデオアンパイアルームの様子(15秒)

試合の盛り上げ方

▼【動画】選手入場時の盛り上がり。エスコートキッズ多数(28秒)

場内DJが観客を煽って盛り上げる

▼【動画】試合開始前の盛り上がり(1分48秒)

Stockey(左)と大会マスコットのLyla(右)
センスのあるBGMで会場を盛り上げるDJ

 9,000席の観衆が一体となり、手拍子を合わせて選手を応援。プロフェッショナルな演出。雰囲気の作り方が素晴らしかった。

次回

 今回No.3の記事執筆にあたり、「FIH Womens World Cup 2022 視察写真報告」(凸版印刷株式会社 吉原 正人 氏)を参考にさせていただいた。

 次回はスペイン会場「Estadi Olímpic de Terrassa」を紹介する。

(文=藤本一平)

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