チームを決勝戦に導くのはPinokéヘンドリクスか、Old Georgiansアシュリーか/Euro Hockey League 2023/24 FINAL8

2024.03.30 8:10 | 海外 | 藤本一平コラム

 ホッケーの欧州クラブNo.1を決める大会、Euro Hockey League(主催:Euro Hockey Federation/以下、EHL)のFINAL8は30日に大会2日目を終え、男女ベスト4が出揃った。31日の男子準決勝・第1試合では地元優勝の期待がかかるPinokéと、ホッケーの母国イングランドのOld Georgians HCが対戦する。

Pinokéを去るヘンドリクスはチームを決勝戦に導けるか

 28日の準々決勝。センターパスが近づくにつれて、Wagener Stadiumの観客席はホームサポーターで埋まり始めた。チームカラーであるネイビーの発煙筒がたかれ、戦いの場にふさわしいムードが整った。

Pinokéサポーターの発煙筒の煙

 Pinokéは前回大会、このサポーターたちの前で苦杯を嘗めた。ベルギーのRoyal Racing Club Bruxellesと接戦を演じたが、チームとして多くの警告(グリーンカード3枚、イエローカード1枚)を受けて数的不利な状況が続き、2対3で敗れてベスト4入りを逃したのだ。

Pinokéの16番ヘンドリクス(Alexander Hendrickx/ベルギー代表/東京2020五輪金メダル)

 今シーズン限りでPinokéからベルギーのクラブ、Gantoise HCへの移籍が決まっているヘンドリクスは前回大会の雪辱を果たし、準決勝進出を決めた試合後に表情豊かに答えた。「私たちは去年よりスマートに戦うことができた。前回は退場者が多かったが今回は難しい局面でも、相手よりスマートに、チームとして団結して戦うことができた」。

 「去年は準々決勝で負けたが今回は次のステージに進むことができてうれしい。明日(休養日)はホテルでリラックスしてリカバリーに専念する。フィットネスバイクを漕いだり、対戦相手の分析をしたり。次の相手(Old Georgians HC)とは前回大会の予選ラウンドで対戦していて映像もある(3-1でPinokéが勝利)。ベストな準備をして臨みたい」と決意を語った。

 準々決勝では伝家の宝刀ドラッグフリックのチャンスは2回あったが、いずれもゴールならず。ホームサポーターに優勝という置き土産をプレゼントするためには、彼のゴールが必要不可欠だろう。ヘンドリクスの真価が問われる。

アシュリー率いるOld Georgians、悲願の決勝進出へ

 過去15回開催された男子EHLにおいて、ホッケーの母国イングランドのクラブがベスト4入りしたのはわずか3回。2010/11大会でReadingが3位、16/17大会でWimbledonが4位、22/23大会でSurbitonが3位と、まだ決勝進出を果たしたクラブはない。

 鬼門だった準々決勝でスペインのClub Campo de Madridを破り、イングランドのクラブとしては4チーム目となる4強入りを果たしたOld Georgians HC。選手兼ヘッドコーチとして指揮を取るアシュリー(Ashley Jackson)は準々決勝を振り返って「ほぼ自分たちがやりたいホッケーができた」と得意げに語った。

メンタリティの差が勝敗を分けたと語ったアシュリー(元英国&イングランド代表/合計250キャップ154ゴール)

 「相手はとてもスキルの高いチームだった。予想していたとおりピッチの中央でボールを奪いにくる戦い方をしてきたが、それにうまく対応して序盤にリードできたことがよかった。ペナルティーコーナーの守備を何本も止めたし、メンタリティもよかった。攻守におけるサークル内の出来がよく、それらが勝敗を分けた。チームのがんばり、献身的な姿勢に満足している」とコメントした。準決勝に向けて、「すでに対戦相手のリサーチはほぼ済んでいる。あとはコンディションを整えて、戦術について細かい部分をチームで確認して、最後はメンタル面の準備をしっかりして臨みたい」と決意を語った。

 過去15大会中、オランダのクラブは9回優勝を果たしており、Pinokéとの準決勝は完全アウェイ。ホッケーの母国のクラブの意地を見せ、歴史に名を刻むことができるのか。アシュリーの采配と円熟味の増したプレーから目が離せない。(文・藤本一平)

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